ソーラー撤去工事で要注意!「異種金属接触腐食」が招く3つのトラブル
2025.09.12 (Fri) 更新
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皆さんこんにちは!ブログを執筆させていただきますラディエントの結城です。
太陽光パネルの撤去工事では、パネル本体の取り外しや配線の処理に意識が向きがちですが、実は架台まわりの腐食トラブルにも十分な注意が必要です。
特に近年増えているのが、「異種金属接触腐食」と呼ばれる現象によるボルト固着や架台破損です。
この問題を正しく理解していないと、撤去時に想定外の作業時間がかかったり、再利用できるはずの架台が使えなくなることもあります。
今回は、ソーラー撤去工事で見落とされがちな「異種金属接触腐食」の仕組みから、現場で起きやすいトラブル、そしてプロが実践している対策まで詳しく解説します。
Contents
異種金属接触腐食とは?
異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)とは、異なる種類の金属が水分などの電解質を介して接触したときに、一方の金属が優先的に腐食してしまう現象です。
ソーラー架台は、以下のような金属の組み合わせが多く使われており、この腐食が起こりやすい環境が整っています。
・アルミ製架台×ステンレス製ボルト(最も多いパターン)
・アルミ製架台×亜鉛メッキ銅製ビス
・スチール製架台×ステンレス製金具
特に屋根上は常に雨・結露・紫外線にさらされており、さらに沿岸部や工業地帯では塩害や酸性雨の影響も強く、アルミ側が先に腐食するケースが多く見られます。
撤去時に起こりやすいトラブル
異種金属接触腐食が進行すると、撤去工事中にさまざまなトラブルを引き起こします。
ここでは代表的な例をご紹介します。
ボルトが固着して外れない
ソーラー架台では、アルミ製の架台とステンレス製のボルトが組み合わされていることが多く、この異種金属接触によって腐食が進むと、ボルトが固着して外れなくなることがあります。
特に沿岸部や工業地帯など、潮風や酸性雨の影響を受けやすい環境では固着のリスクが高まります。
◆トラブルの原因
・腐食により白錆(アルミ酸化皮膜)や酸化物がネジ山に食い込む
・雨や結露でボルト周辺に水分が滞留し、腐食が進行
◆現場でよくある失敗例
・インパクトドライバーで強引に外そうとしてボルトをねじ切る
・固着したボルトを無理に回した結果、架台が変形・破損する
◆対策
・作業前に浸透潤滑剤を十分に使用し、15〜30分程度放置
・状態が悪い場合は、ボルト頭をディスクグラインダーで切断する方が安全
架台のボルト穴が広がる
異種金属接触腐食は、ボルトだけでなく架台側のアルミ部分にも影響を与えます。
特に腐食が進むと、ボルト穴が膨張したり、金属が脆くなって穴が拡大するケースがあります。
◆トラブルの原因
・アルミは鉄やステンレスに比べて柔らかいため、腐食すると一気に強度が低下
・固着したボルトを無理に外すと、アルミ側の穴が削れたり変形しやすい
◆現場で起こりがちな問題
・撤去後、再設置を予定していた架台の再利用ができなくなる
・ボルトが効かず、固定力が不足することで安全性が損なわれる
◆対策
・無理なトルクをかけず、ボルトをゆっくり外す
・腐食が進んだ穴はアルミ補修材や防錆パテで補修する
・再設置時は絶縁ワッシャーを挟んで腐食を予防する
架台の強度低下による破損
一見きれいに見える架台でも、内部では腐食が進行していることがあります。
特にアルミ材は酸化皮膜が白く粉状になるため、外観だけでは判断が難しいのが特徴です。
◆トラブルの原因
・異種金属接触腐食により、アルミの強度が徐々に低下
・ボルト穴や接合部から腐食が広がることで、架台全体の耐久性が落ちる
◆現場でのリスク
・撤去時に架台が突然折れる・割れる可能性がある
・再設置した場合、強風時にパネルが外れる危険性が高まる
◆対策
・撤去作業前に接合部・ボルト周辺を点検し、腐食の進行度を確認
・重大な腐食が見られる場合は、架台ごと撤去・交換する判断も必要
・新しい架台を使う場合は絶縁処理を施して再発を防ぐ
プロが実践する撤去時の対策
現場のプロは、異種金属接触腐食によるトラブルを避けるため、撤去手順にも工夫をしています。
(1) 事前の腐食状態チェック
・ボルトや架台の接合部を目視で確認。
・白錆・赤錆・変色などが見られる場合は固着の可能性が高いと判断。
・状態が悪ければ、最初から手回しで慎重に外すか、切断を想定した準備をします。
(2) 浸透潤滑剤の長時間浸透
・ラスペネ、KURE 5-56などの浸透潤滑剤を使用。
・スプレーしたらすぐ回さず、15分〜30分ほど放置して成分を浸透させる。
・特にアルミとステンレスの固着は、短時間ではほとんど緩みません。
(3) ボルト頭の切断
・固着が強い場合は、無理に回すよりディスクグラインダーで頭をカット。
・切断時は火花養生シートでパネルや屋根材を保護することが重要です。
(4) 架台再利用時の補修
・腐食が進んだ部分はアルミ用防錆塗料でコーティング。
・再設置時には、絶縁ワッシャーや絶縁テープを挟んで再発防止を図ります。
再設置時に有効な腐食対策
撤去工事後にソーラーを再設置する場合、以下の工夫をしておくと長期的なトラブルを防げます。
(1) 絶縁ワッシャー・絶縁テープの使用
・ステンレスボルトとアルミ架台の間に絶縁ワッシャーを挟むことで、直接接触を避けられます。
・配線金具など接触面が多い箇所は、ブチルゴム系絶縁テープも効果的です。
(2) 防水処理の徹底
・ボルト穴や接触部に防水シール剤を薄く塗布。
・雨水や結露による電解質の侵入を防ぐことで、腐食リスクを大きく低減できます。
(3) 定期的な点検
・ソーラー再設置後は、3〜5年ごとに架台接合部の点検が理想的。
・白錆や変色を早期に発見すれば、補修で大きなトラブルを防げます。
まとめ
ソーラー撤去工事における「異種金属接触腐食」は、見落とされがちなトラブル要因ですが、実は作業効率と再設置後の耐久性を大きく左右する重要ポイントです。
・アルミ×ステンレスの接合部は特に腐食リスクが高い
・潤滑剤は短時間でなく長時間浸透させることが重要
・固着がひどい場合はボルト切断が安全
・再利用時は絶縁ワッシャーや防水処理で再発防止
この知識を押さえておくことで、撤去作業のトラブルを防ぎ、架台を安全に再利用することができます。
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