ルーフィングのたるみは施工不良?原因と雨漏りリスクを解説
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防水工事では、雨水の侵入を防ぐためにさまざまな防水材料が使用されています。そのなかでも、屋根の下地や防水層として重要な役割を担っているのが「ルーフィング」です。
ルーフィングは、建物内部への雨水の侵入を防ぐために欠かせない材料ですが、施工中や施工後に表面が波打ったり、一部分が浮き上がったりすることがあります。
このような状態は一般的に「ルーフィングのたるみ」と呼ばれます。
しかし、ルーフィングにたるみがあるからといって、必ずしも施工不良とは限りません。
材料の性質や施工時の気温、下地の状態などによって、一時的にたるみが生じる場合もあるためです。
一方で、たるみの位置や程度によっては、防水性能の低下や雨漏りにつながる可能性もあります。
今回は、ルーフィングにたるみが発生する原因や、放置すると起こり得るトラブル、施工時に確認しておきたいポイントについて詳しく解説します。
Contents
- そもそもルーフィングとは?防水工事での役割
- ルーフィングにたるみが発生する5つの原因
- ① 施工時の気温によって材料が伸縮する
- ② ルーフィングを敷く際の張り方にムラがある
- ③ 屋根下地に凹凸や段差がある
- ④ 固定位置や固定間隔が適切ではない
- ⑤ 雨や湿気によって下地の状態が変化する
- ルーフィングのたるみを放置するとどうなる?
- ① 雨水がたるみ部分に入り込む
- ② 重なり部分の防水性能が低下する
- ③ 屋根材を施工した後では確認しにくい
- 特に注意したい!ルーフィングがたるみやすい場所
- 谷樋付近
- 天窓まわり
- 壁と屋根の取り合い部分
- 軒先付近
- ルーフィングのたるみは施工不良?判断するポイント
- 屋上防水のルーフィングにもたるみは発生する?
- ルーフィングのたるみを防ぐために重要な施工管理
- 下地の状態を確認する
- 材料に適した施工方法を選ぶ
- 重なり部分を丁寧に施工する
- 屋根材を取り付ける前に確認する
- まとめ|ルーフィングのたるみは見た目だけで判断しないことが大切
そもそもルーフィングとは?防水工事での役割

ルーフィングとは、主に屋根材の下に敷設する防水シートや、アスファルト防水などに使用するシート状の防水材料を指します。
屋根に使用するルーフィングは、瓦やスレート、金属屋根などの屋根材の下に敷設され、屋根材の隙間から入り込んだ雨水を軒先側へ排出する役割があります。
また、陸屋根や屋上などのアスファルト防水では、ルーフィングを複数層に重ねて防水層を形成する工法もあります。
ただし、屋根下葺き用ルーフィングと、屋上などで使用する防水用ルーフィングでは、施工方法やたるみの判断基準が異なります。
この記事では、主に屋根下葺き用ルーフィングのたるみを中心に解説し、屋上防水との違いについても紹介します。
ルーフィングにたるみが発生する5つの原因
① 施工時の気温によって材料が伸縮する
ルーフィングは、材料の種類によって温度変化の影響を受けることがあります。
特に夏場の屋根では、直射日光によって下地や防水シートの表面温度が高くなり、材料が柔らかくなったり、寸法が変化したりする場合があります。
反対に、気温が低い環境では材料が硬くなり、下地の形状になじみにくくなることもあります。
そのため、施工時の気温や材料の保管状態によっては、シートを敷設した際に波打ちが発生することがあります。
★注意したいポイント
施工直後にわずかな波打ちが見られても、材料の種類や固定状態によっては、防水性能に直接影響しないケースがあります。
ただし、温度変化だけでたるみの原因を断定することはできません。
② ルーフィングを敷く際の張り方にムラがある
ルーフィングを施工する際、シートを均等に敷設できていないと、部分的に余分なたるみが生じる場合があります。
例えば、片側だけを強く引っ張った状態で固定すると、反対側に余分なシートが残り、しわや波打ちが発生することがあります。
また、長い距離を一度に敷設する場合、途中でシートの位置がずれることも考えられます。
特に注意したいのが、ルーフィングの重なり部分に大きなしわが生じているケースです。
重なり部分の密着状態や水の流れに影響すると、雨水が適切に排出されなくなる可能性があります。
③ 屋根下地に凹凸や段差がある
ルーフィングそのものに問題がなくても、下地の状態によってたるみが発生することがあります。
例えば、次のような状態です。
・野地板の継ぎ目に段差がある
・下地材が部分的に反っている
・古い下地に凹凸が残っている
・下地の補修箇所に高さの違いがある
・下地材の固定が不十分になっている
ルーフィングは下地の上に敷設するため、下地に不陸があると、その形状がシート表面に現れることがあります。
特に屋根の改修工事では、既存の下地が経年劣化している場合もあるため、ルーフィングを敷く前の確認が重要です。
④ 固定位置や固定間隔が適切ではない
ルーフィングは、材料や工法に応じて、専用の留め具や粘着層などで固定されます。
固定が不十分な場合、施工中の風や作業時の接触によってシートが動き、たるみが発生することがあります。
また、固定位置が適切でないと、重なり部分が浮き上がったり、シートがずれたりする可能性もあります。
ただし、固定方法や必要な固定間隔は製品によって異なるため、一律に判断することはできません。
メーカーが指定する施工方法に沿って固定されているかが重要な確認ポイントです。
⑤ 雨や湿気によって下地の状態が変化する
施工前後に雨が降った場合、下地材が水分を含み、膨張や反りなどの変化が起こることがあります。
特に木質系の下地では、含水状態の変化が表面の不陸につながる場合があります。
その影響によって、ルーフィングが部分的に浮いて見えることもあります。
また、下地が十分に乾燥していない状態で施工すると、後から湿気に関係する不具合が発生する可能性があります。
ただし、すべてのルーフィングが湿気によって伸びるわけではありません。
シート自体の変形なのか、下地の変化によるものなのかを見極めることが大切です。
ルーフィングのたるみを放置するとどうなる?
ルーフィングのたるみは、見た目だけの問題で終わる場合もあります。
しかし、大きなしわや浮きが重なり部分に発生している場合、雨水の排出に影響する可能性があります。
① 雨水がたるみ部分に入り込む
ルーフィングは、屋根の勾配に沿って雨水を下方向へ流す構造になっています。
ところが、シートに大きなしわがあると、雨水の流れが妨げられることがあります。
特に、シートの重なり部分がめくれたり、逆方向に段差ができたりすると、雨水がシートの裏側へ侵入する原因になりかねません。
② 重なり部分の防水性能が低下する
ルーフィングは、複数のシートを重ねながら施工します。
一般的なアスファルトルーフィングの施工要領では、上下の重ね幅100mm以上、左右の重ね幅200mm以上が示されています。ただし、実際には使用製品や屋根の仕様に従う必要があります。
重なり部分に大きなたるみがあると、必要な重ね幅が確保されていても、部分的な浮きや隙間が生じる場合があります。
そのため、重ね幅だけでなく、シートの納まりも重要になります。
③ 屋根材を施工した後では確認しにくい
ルーフィングは屋根材の下に隠れるため、屋根工事が完了すると簡単には確認できません。
施工中にたるみが残っていても、屋根材を設置すると表面からは見えなくなります。
そのため、施工後に雨漏りなどの問題が発生した場合、原因を調べるために屋根材の一部を取り外さなければならないケースもあります。
ルーフィングの施工状態は、屋根材を取り付ける前に確認することが大切です。
特に注意したい!ルーフィングがたるみやすい場所
屋根全体にわずかな波打ちがある場合と、雨水が集中する部分にたるみがある場合では、注意するポイントが異なります。
谷樋付近

屋根の谷部分は、複数の屋根面から雨水が集まりやすい場所です。
この部分でルーフィングが大きく浮いていると、防水層の納まりに問題が生じる可能性があります。
天窓まわり

天窓の周囲は、平らな屋根面とは異なり、立ち上がりや角部分など複雑な形状になっています。
そのため、ルーフィングを折り曲げたり、重ねたりする際にしわが発生することがあります。
特に角部分では、シートが浮かずに納まっているか確認することが重要です。
壁と屋根の取り合い部分

外壁と屋根が接する部分も、防水処理が複雑になりやすい場所です。
ルーフィングの立ち上げ部分に大きなしわが残ると、雨押え板金との取り合いに影響する可能性があります。
軒先付近

軒先は、ルーフィング上を流れた雨水を屋根の外へ排出するための重要な場所です。
ルーフィングと軒先水切りの重なり方が不適切な場合、雨水が下地側へ回り込むおそれがあります。
同じたるみでも、発生している場所によってリスクが異なることを理解しておきましょう。
ルーフィングのたるみは施工不良?判断するポイント
ルーフィングにたるみがある場合、すぐに施工不良と判断するのではなく、次のような点を確認することが大切です。

特に重要なのは、たるみがあること自体よりも、防水層として正しく機能する状態になっているかどうかです。
施工要領でも、下地になじませ、たるみ・しわ・波打ちを生じさせない敷設が基本とされています。
軽微に見えるしわであっても、施工基準への適合を確認せずに問題ないと判断することは避けましょう。
屋上防水のルーフィングにもたるみは発生する?
屋上や陸屋根のアスファルト防水工事でも、ルーフィングの浮きやしわが発生する場合があります。
ただし、屋根下葺き用ルーフィングとは異なり、アスファルト防水ではシート同士の接着状態や下地との密着状態なども重要です。
例えば、密着工法では、下地との接着が不十分な箇所に浮きが発生する場合があります。
一方、絶縁工法などでは、防水層を下地全面に密着させない構造もあるため、見た目だけで不具合を判断することはできません。
屋上防水で確認したいのは、次のような症状です。
・防水層の一部が大きく膨らんでいる
・シートの継ぎ目が開いている
・立ち上がり部分にしわが集中している
・防水層に破れや亀裂が発生している
・排水口周辺の防水層に浮きがある
こうした症状が見られる場合は、使用されている防水工法に応じた点検が必要です。
ルーフィングのたるみを防ぐために重要な施工管理
ルーフィングのたるみを防ぐためには、シートを丁寧に敷くことだけでなく、施工前の準備や施工途中の確認も重要です。
下地の状態を確認する
施工前に野地板の段差や反り、釘頭の突出などを確認し、必要に応じて補修します。
材料に適した施工方法を選ぶ
ルーフィングには、アスファルト系や改質アスファルト系、粘着層付きなど複数の種類があります。
製品によって施工方法が異なるため、メーカーの施工要領に従うことが大切です。
重なり部分を丁寧に施工する
ルーフィングの重なり部分は、雨水の侵入を防ぐうえで重要な箇所です。
重ね幅だけでなく、しわや浮き、施工方向にも注意が必要です。
屋根材を取り付ける前に確認する
施工完了後では確認が難しくなるため、ルーフィングを敷き終えた段階で状態を確認しておくことが望ましいでしょう。
工事写真を残しておくことも、施工状態を後から確認するうえで役立ちます。
まとめ|ルーフィングのたるみは見た目だけで判断しないことが大切
ルーフィングのたるみは、材料の性質や施工時の環境、下地の状態、固定方法など、さまざまな要因によって発生することがあります。
わずかな波打ちが見られるだけで、直ちに雨漏りが発生するわけではありません。
しかし、重なり部分や谷部、天窓まわりなどに大きなしわや浮きがある場合は、防水性能への影響を確認する必要があります。
また、ルーフィングは屋根材を施工すると見えなくなる部分だからこそ、施工途中の確認が重要です。
屋根の防水性能を長く維持するためにも、表面の仕上がりだけでなく、見えない部分の施工状態にも目を向けることが大切です。
屋根工事や防水工事を検討している方は、ルーフィングの種類や施工方法についても施工業者に確認してみましょう。
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