研磨しすぎると持たない?ツルツル仕上げの落とし穴
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皆さんこんにちは!ブログを執筆させていただきますラディエントの結城です。
塗装前の下地処理では、「研磨すればするほどきれいになって、塗料も長持ちする」と思われがちです。
確かに、サビや旧塗膜、汚れなどを落とすための研磨は非常に重要です。しかし、下地を必要以上にツルツルにしてしまうと、かえって塗料の密着性が低下することがあります。
特に鉄部や金属部、木部などでは、「きれいに磨くこと」と「塗料が密着しやすい下地をつくること」は必ずしも同じではありません。
今回は、塗装前の研磨をやりすぎることで起こる意外な落とし穴について詳しく解説します。
Contents
そもそも塗装前に研磨する理由とは?
塗装工事で行う研磨には、大きく分けて「不要なものを取り除くこと」と「塗料が密着しやすい表面をつくること」という役割があります。
例えば鉄部であれば、サビや浮いている旧塗膜を除去します。木部なら、劣化した表面や毛羽立ちを整える目的があります。
さらに重要なのが、表面に細かな傷をつける「目荒らし」です。
一見すると傷をつけない方がきれいに思えますが、塗装では適度な凹凸があることで塗料が食いつきやすくなる場合があります。
つまり、研磨の目的は「鏡のようにツルツルにすること」ではありません。
ツルツルすぎると塗料が密着しにくくなる?
下地と塗料の組み合わせによっては、表面が滑らかすぎることで十分な密着性を確保しにくくなることがあります。
塗料は下地に付着しますが、その密着には下地の状態や表面粗さ、使用するプライマーなど複数の条件が関係しています。
例えば金属面を極端に細かい研磨材で磨き上げてしまうと、本来目荒らしによって確保したかった微細な凹凸まで小さくなってしまいます。
その状態で適切な下塗りをせず塗装すると、
・塗膜が部分的に剥がれる
・傷をきっかけに塗膜がめくれる
・数年後にパリパリと剥離する
・密着試験をすると簡単に剥がれる
といった不具合につながることがあります。
「ツルツル=最高の下地」とは限らないところがポイントです。
特に注意したいのが金属部分
外壁塗装や屋根塗装では、雨戸、シャッターボックス、鉄骨、手すり、庇、笠木、板金など、さまざまな金属部分を塗装します。
こうした部分ではケレン作業が行われます。
サビを落とすことばかり注目されますが、比較的状態の良い金属面では「塗料を密着させるための目荒らし」という意味も非常に重要です。
ところが研磨後の表面をさらに細かく磨き続け、光沢が出るほど滑らかにしてしまうと、本来の目荒らしの目的から外れてしまう場合があります。
重要なのは「どれだけ磨いたか」ではなく、その後に使用する塗料に適した下地状態になっているかです。
研磨しすぎると下地そのものを傷めることも
もう一つの問題が、削りすぎです。
例えば薄い金属部材を強く研磨すると、必要以上に素地を削ってしまう可能性があります。
特に電動工具を使用した研磨では、同じ場所を長時間削り続けると想像以上に材料へ負担がかかります。
木部も同様です。
劣化した木部をきれいにしようとして削りすぎれば、表面だけでなく健全な部分まで削ってしまいます。
研磨は「強ければ強いほど良い」という作業ではありません。
古い塗膜を全部落とせばいいわけでもない
塗装前には旧塗膜を除去しますが、これも必ずしも全面を素地まで削る必要があるとは限りません。
剥離している部分や密着していない旧塗膜は除去する必要がありますが、しっかり密着している旧塗膜まで無理に削り取ると、作業量が増えるだけでなく下地を傷める場合があります。
実際の現場では、
「残す塗膜」
「落とす塗膜」
「目荒らしする部分」
「素地まで出す部分」
を判断することが重要です。
ここが職人の下地処理で差が出やすい部分でもあります。
研磨後の粉を残すのもNG
研磨そのものが適切でも、その後の処理が不十分なら意味がありません。
研磨すると大量の細かな粉が発生します。
この研磨粉が表面に残ったまま塗装すると、塗料が下地ではなく「粉の上」に乗ってしまう状態になることがあります。
見た目はきれいに塗れていても、密着性が十分ではない可能性があります。
そのため研磨後には、清掃や脱脂など、塗料・下地に応じた適切な処理が必要です。
「ツルツルにする研磨」と「塗装のための研磨」は違う
ここは意外と知られていないポイントです。
家具などを美しく仕上げる研磨と、塗装前の下地処理として行う研磨では、目的が異なる場合があります。
塗装前の場合は、最終的な見た目を研磨だけで完成させるわけではありません。
その上から下塗り・中塗り・上塗りを行うため、次の塗膜が安定して密着できる表面をつくることが重要です。
そのため、「触ったときにツルツルだから下地処理が完璧」とは判断できません。
逆に研磨不足も当然NG
もちろん、「研磨しすぎが良くないなら軽く削ればいい」というわけでもありません。
サビ、浮いた塗膜、脆弱な旧塗膜などが残っていれば、その上から高性能な塗料を使用しても下地ごと剥離する可能性があります。
例えばサビの上に塗装して塗料自体がしっかり密着していても、その下にあるサビが進行すれば塗膜が浮いてくることがあります。
大切なのは、
研磨不足でもなく、研磨しすぎでもない状態をつくること。
これが下地処理の難しいところです。
長持ちする塗装は「削る量」ではなく「下地との相性」が重要
塗装を長持ちさせるには、単純に研磨時間を長くすればいいわけではありません。
下地の材質、既存塗膜の状態、サビの程度、使用する下塗り材、上塗り塗料などを確認し、それぞれに適した下地処理を行う必要があります。
同じ金属でも、鉄、アルミ、ステンレス、亜鉛めっき鋼板などでは適切な処理方法が異なります。
さらに、既存塗膜が何なのかによっても対応は変わります。
そのため「しっかり研磨しました」という言葉だけでは、適切な下地処理だったかどうかは判断できません。
まとめ
塗装前の研磨は、塗膜の耐久性を左右する重要な工程です。
しかし、研磨は「ツルツルになるまで磨けばいい」というものではありません。
サビや浮いた旧塗膜を取り除きながら、必要に応じて適度な目荒らしを行い、塗料が密着しやすい状態に整えることが重要です。
逆に磨きすぎて表面を過度に平滑にしたり、下地そのものを削りすぎたりすれば、塗装にとってマイナスになる場合もあります。
「きれいに磨かれている下地」と「塗料が長持ちする下地」は必ずしも同じではありません。
塗装の耐久性を考えるなら、研磨の量だけではなく、素材・既存塗膜・使用する塗料まで考えた適切な下地処理が重要です。
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