夏になると板金屋根から「パキッ」と音がする原因|熱伸縮との関係
2026.09.14 (Mon) 更新
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夏の暑い日に、家の中にいると突然屋根の方から「パキッ」「パンッ」「ミシッ」という音が聞こえることがあります。
「屋根材が割れた?」「強風でもないのに何の音?」と心配になりますが、金属製の板金屋根では、気温や日射による熱伸縮が原因で音が発生することがあります。
特に夏場は屋根表面が非常に高温になるため、朝・昼・夕方で金属の状態が大きく変化します。
今回は、夏になると板金屋根から音がする原因と熱伸縮の関係、注意した方がよいケースについて詳しく解説します。
Contents
板金屋根は暑くなると膨張する
ガルバリウム鋼板などの金属屋根は、温度が上がるとわずかに膨張し、温度が下がると収縮します。
これを「熱伸縮」といいます。
1枚の板金だけを見ると動きは非常に小さいものですが、屋根材は長い距離にわたって施工されています。
そのため、屋根全体ではこのわずかな伸縮が積み重なり、意外と大きな動きになることがあります。
特に夏は、
・朝は比較的涼しい
・日が当たり始めると急激に温度が上昇する
・昼間は屋根表面がかなり高温になる
・夕方から夜にかけて急速に冷える
という温度変化が繰り返されます。
このとき板金が伸びたり縮んだりすることで、「パキッ」という音が発生することがあります。
なぜ「パキッ」と急に鳴るの?
金属が伸縮しているのであれば、ゆっくり動いて音がしないようにも思えます。
しかし実際の屋根は、板金が完全に自由な状態ではありません。
ビス・釘・吊子・ハゼ・棟板金・役物など、さまざまな部分で固定されています。
板金が熱によって伸びようとしても固定部分や接触部分に引っ掛かると、すぐには動けません。
すると内部に少しずつ力が溜まります。
そして、ある瞬間に引っ掛かりが外れて板金がわずかに動くことで、
「パキッ!」
と音が発生します。
イメージとしては、板金そのものが割れているというより、溜まっていた伸縮の力が一気に解放されたときの音です。
長い板金ほど熱伸縮の影響を受けやすい
注意したいのが、屋根材の長さです。
金属は温度変化によって伸縮するため、基本的には短い材料よりも長尺の材料の方が、端から端までの動き量が大きくなります。
特に、
長い立平葺き屋根
などでは熱伸縮による動きが発生しやすくなります。
最近の住宅では軒先から棟まで継ぎ目を設けず、長い金属屋根材を施工するケースもあります。
雨仕舞の面ではメリットがありますが、熱伸縮を考慮した固定方法や納まりが重要になります。
音が出やすいタイミング
熱伸縮による音は、真昼だけに発生するとは限りません。
むしろ屋根表面の温度が急激に変化する時間帯に発生しやすい傾向があります。
例えば、朝になって太陽が屋根に当たり始めたときです。
冷えていた板金が急激に温められて膨張するため、「パキッ」「パンッ」と鳴ることがあります。
反対に夕方から夜も注意が必要です。
昼間に熱くなって膨張していた板金が冷えて収縮するため、日没後に音が聞こえるケースもあります。
「夜なのに屋根から音がする」という場合でも、昼間に受けた熱が関係している可能性があります。
屋根の色によっても影響は変わる?
屋根表面の温度は、日射・気温・風通し・屋根材・塗料などさまざまな条件によって変化します。
その中の一つが屋根の色です。
一般的に黒や濃い色の屋根は日射による熱を吸収しやすいため、表面温度が上昇しやすくなります。
ただし、
「黒い屋根だから必ずパキッと鳴る」
というわけではありません。
実際には屋根材の長さ、固定方法、下地、施工方法、屋根形状などが複雑に関係しています。
ビスを強く締めれば音は止まる?
ここは注意したいポイントです。
「板金が動いて音がするなら、ビスでガッチリ固定すればいい」と考えてしまいがちですが、必要以上に動きを止めることが正解とは限りません。
金属は温度変化があれば伸縮します。
その動きを無理に拘束すると、別の場所に力が集中する可能性があります。
場合によっては、
・板金の歪み
・波打ち
・固定部への負担
・ビスや釘の緩み
・ハゼ部分への負担
・シーリング部分への負担
などにつながることがあります。
そのため金属屋根では、熱伸縮を前提として施工方法や固定方法を考えることが重要です。
「パキッ」という音だけなら問題ない?
熱伸縮による音であれば、必ずしも屋根に異常が発生しているとは限りません。
しかし、以前は鳴っていなかったのに急に音が増えた場合や、明らかに大きな音が頻繁に発生する場合は、一度確認した方が安心です。
特に注意したいのが、音と同時に次のような症状が見られるケースです。
・板金が浮いている
・屋根表面が大きく波打っている
・ビスや釘が浮いている
・棟板金が動いている
・強風時にもバタバタ音がする
・雨漏りが発生している
こうした場合は、単純な熱伸縮音ではなく、固定部や下地に問題が発生している可能性があります。
「夏だけ鳴る」のは大きなヒント
原因を判断するときは、いつ音が発生するかを確認することも重要です。
「真夏の晴れた日に多い」
「朝、日が当たり始めると鳴る」
「夕方になると鳴る」
「冬はほとんど鳴らない」
このように温度変化と連動している場合は、熱伸縮が関係している可能性が高くなります。
反対に、風が強い日にだけバタバタ鳴る場合は板金の固定不良や浮きなど、別の原因も考える必要があります。
塗装後に音が気になるようになることも
少しマイナーなケースですが、屋根塗装や改修後に「以前より音が気になる」と感じるケースもあります。
ただし、塗装したこと自体が直接的に熱伸縮音を発生させているとは限りません。
塗装時に板金の固定状態が変わった、補修部分の動き方が変化した、屋根表面の温度条件が変化したなど、複数の要因を確認する必要があります。
そのため、「塗装後に音が出た=塗料が原因」と単純に判断しないことが大切です。
まとめ
夏場に板金屋根から聞こえる「パキッ」「パンッ」「ミシッ」という音は、金属屋根特有の熱伸縮が関係していることがあります。
太陽によって板金が温められると膨張し、夕方から夜に冷えると収縮します。
その際、固定部分や接触部分に一時的に力が溜まり、板金がわずかに動いた瞬間に音が発生することがあります。
特に長尺の金属屋根・立平葺き・日当たりの強い屋根では、熱伸縮の影響を考えておく必要があります。
音だけであれば必ずしも異常とは限りませんが、板金の浮き・波打ち・ビスの緩み・強風時のバタつき・雨漏りなどを伴っている場合は要注意です。
夏だけ屋根から音がする場合は、まず「いつ鳴るのか」「気温や日射と連動しているか」を確認すると、原因を判断する大きな手掛かりになります。
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