下塗りをケチると雨染みが復活する?塗装後に起きる「雨染み再発現象」のメカニズム
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皆さんこんにちは!ブログを執筆させていただきますラディエントの結城です。
外壁や軒天などを塗装したあと、「施工直後はきれいだったのに、しばらくすると茶色い染みが浮いてきた」という現象が起こることがあります。
特に注意したいのが、以前に雨漏りや水の侵入があった場所です。雨漏り自体はすでに直っているのに、塗装後に以前と同じような場所へ染みが出てくることがあります。
この原因のひとつが、下塗り不足による雨染み成分の再浮上(ブリード)です。
今回は、なぜ下塗りをケチると雨染みが再発しやすくなるのか、そのメカニズムについて詳しく解説します。
Contents
そもそも雨染みは「色が付いているだけ」ではない
雨漏りなどによって建材へ水分が入り込むと、表面に茶色や黄色っぽい染みが残ることがあります。しかし、この染みは単純な表面の変色とは限りません。
下地内部には、木材などから出たアク、汚れの成分、サビなどの成分、水分によって運ばれた不純物、古い雨漏りによって残った染み成分などが残っていることがあります。
つまり、「表面の染みを塗料で隠す=雨染みを完全に処理した」ではないということです。
下塗りには「染みを止める」という役割もある
下塗りというと、「上塗り塗料を密着させるためのもの」というイメージが強いと思います。
もちろん密着性を高めることは重要ですが、下地によっては吸い込みを抑える・下地を固める・上塗りを均一に仕上げる・下地から出てくる成分を抑えるといった役割もあります。
特に雨染みがある部分では、下地と新しい塗膜の間にしっかりと遮断層を作ることが重要です。
下塗りをケチるとどうなる?
雨染みが残っている下地に、本来必要な量より少ない下塗りしか施工しなかったとします。
本来であれば、
雨染みのある下地 → 十分な下塗り層 → 中塗り → 上塗り
という塗膜を形成したいところです。
ところが下塗りをケチると、
雨染みのある下地 → 薄い下塗り層 → 中塗り → 上塗り
という状態になります。
さらに注意したいのが、下地への吸い込みです。
劣化したモルタルやケイカル板などは塗料を吸い込みやすいため、下塗りを施工しても下地内部へどんどん吸収されることがあります。
見た目では「ちゃんと下塗りした」ように見えても、実際には表面に十分な下塗り層が残っていない場合があるのです。
雨染みが再発するメカニズム
① 下地内部に雨染み成分が残っている
過去の雨漏りなどによって、下地内部に染みの原因となる成分が残っています。
ここでポイントなのが、現在は雨漏りしていなくても起こる可能性があることです。
雨漏りを修理して水の侵入が止まっていても、過去の染み成分まで完全になくなるわけではありません。
② 下塗りが薄く、十分に遮断できない
次に下塗りを施工します。しかし塗布量が不足していたり、下地への吸い込みが激しかったりすると、染みを抑えるための層が十分に形成されません。
この段階では見た目に問題がない場合もあります。
③ 中塗り・上塗りを施工する
その上から中塗り・上塗りを施工すると、施工直後は塗料の色によって雨染みが隠れます。
そのため、一見すると「きれいに直った」ように見えます。
④ 下地の染み成分が新しい塗膜側へ移動する
下塗りによる遮断が不十分だと、下地内部に残っている成分が徐々に新しい塗膜側へ影響することがあります。
すると、
施工直後はきれい → 数日後に薄黄色になる → 時間が経つと茶色い染みが見えてくる
という現象が起こることがあります。
これが、いわゆる雨染みの再発・ブリード現象です。
上塗りを何回も塗れば止まる?
雨染みが浮いてくると、「もう一回上塗りすれば隠れるのでは?」と思うかもしれません。
確かに塗った直後は隠れることがあります。しかし、原因が下地からのブリードであれば、上塗りを増やすだけでは再び染みが出てくる可能性があります。
大切なのは、上から隠すのではなく、下で止めることです。
そのため、雨染みが強い場合には通常の下塗りではなく、シミ止め・アク止め性能を持った下塗り材が必要になることもあります。
「下塗りを2回塗る」ケースもある
吸い込みが激しい下地では、一度下塗りを施工しただけでは十分な層が作れない場合があります。
1回目の下塗りが下地へ吸い込まれてしまうためです。
このような場合には、1回目で下地へ浸透させて吸い込みを抑え、2回目で表面にしっかり下塗り層を形成するという考え方で施工することもあります。
ただし、単純に何でも2回塗れば良いわけではありません。下地の種類や状態、使用する下塗り材の仕様を確認して判断することが重要です。
特に雨染みが再発しやすい場所
雨染みの再発に注意したいのは、過去に水分の影響を受けやすかった場所です。
・軒天
・ベランダ下の天井
・サッシ周辺
・出窓周辺
・バルコニー周辺
・雨漏り補修跡
・木下地が使われている部分
・モルタルやコンクリートの雨染み部分
特に軒天などは、雨漏りが止まったあとでも茶色い染みだけが残っているケースがあります。
そこへそのまま通常塗装をすると、仕上げたあとに染みが浮いてくることがあります。
完成直後では下塗り不足に気付きにくい
この現象が厄介なのは、塗装直後はきれいに見えることがある点です。
下塗りが多少不足していても、中塗りと上塗りを施工すれば表面はきれいになります。
そのため完成直後だけを見ると、下塗りが十分だったのか、染み止め処理が適切だったのか判断しにくい場合があります。
ところが時間が経過すると、
うっすら黄色くなる → 茶色っぽくなる → 以前の雨染みと似た形が浮かんでくる
という形で症状が現れることがあります。
「雨染み再発=下塗り不足」とは限らない
ここは非常に重要です。
塗装後に雨染みが出たからといって、すべて下塗り不足が原因とは限りません。
大きく分けると、「過去の雨染みが塗膜へ浮き出ているケース」と「現在も雨水が侵入しているケース」があります。
現在も雨水が侵入している場合は、いくらシミ止め塗料を施工しても根本的な解決にはなりません。
屋根や外壁、サッシ、笠木、防水層などから水が入り続けているのであれば、まず雨漏りの原因を修理する必要があります。
雨染み部分で重要なのは「下塗りの量+種類」
雨染み対策では、「下塗りをたくさん塗ればOK」ではありません。
一般的なシーラーには吸い込み防止や密着性向上などの役割がありますが、すべての下塗り材が強いシミ止め性能を持っているわけではありません。
そのため雨染みが強い場合には、下地の状態、雨染みの原因、下地の吸い込み、使用する上塗り塗料などを確認したうえで、適切な下塗り材を選定する必要があります。
つまり重要なのは、「下塗りをしたかどうか」ではなく、「その下地に必要な下塗り材を必要な量だけ施工したかどうか」なのです。
まとめ
下塗りは完成すると見えなくなる工程なので、つい軽く考えられがちです。
しかし雨染みが残っている場所では、下塗りが非常に重要になります。
下塗りをケチって十分な遮断層が作られていないと、
下地内部の染み成分 → 薄い下塗り層を通過 → 中塗り・上塗りへ影響 → 表面に茶色や黄色の染みが再び現れる
という現象につながることがあります。
そして厄介なのが、施工直後ではなく、時間が経ってから症状が出る場合があることです。
雨染みがある場所では、単純に「上から塗って隠す」のではなく、雨漏りが止まっているか確認する → 下地を十分に乾燥させる → 適切な下地処理をする → 必要な性能を持つ下塗り材を適正量施工するという流れが大切です。
見えなくなる下塗りだからこそ、ケチると後から差が出る。
雨染みが残っている場所では、特に注意しておきたいポイントです。
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