庇板金のビス周りから塗膜が割れる理由とは?見逃されやすい“動き”の正体
2026.06.08 (Mon) 更新
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皆さんこんにちは!ブログを執筆させていただきますラディエントの結城です。
住宅の庇(ひさし)板金を塗装したあと、数年以内にビス周辺だけ塗膜が割れてくるケースがあります。
一見すると「塗料が悪い」「施工不良かな?」と思われがちですが、実はこの症状、板金特有の動きや構造が大きく関係しています。
今回は、庇板金のビス周りから塗膜が割れる理由について、現場目線で詳しく解説します。
Contents
そもそも庇板金は“かなり動く”
庇板金は金属製のため、夏場になるとかなり高温になります。
特に黒系・濃色系は表面温度が60℃以上になることもあり、
・昼は膨張
・夜は収縮
を毎日のように繰り返しています。
この時、板金自体は伸び縮みしたくても、
ビスで固定されている部分だけ動きが止められるため、負荷が集中します。
その結果、
・ビス頭周辺
・ビス穴周辺
・固定点の角
から塗膜に細かなヒビが入りやすくなるのです。
ビス部分は“塗膜が厚くなりやすい”
実はビス周辺は、塗装時に塗膜が溜まりやすい場所でもあります。
ローラーや刷毛で塗ると、
・ビス頭の段差
・ワッシャー周辺
・小さなくぼみ
に塗料が集まり、局所的に膜厚が厚くなります。
塗膜は厚すぎても柔軟性が落ちるため、
金属の動きに追従できず割れやすくなります。
特に、
・2液弱溶剤系
・硬めの無機塗料
・艶が強い高耐候塗料
などは、経年で硬化するとビス周りの動きに負けやすいことがあります。
“ビスの浮き”が原因のケースも多い
もう一つ非常に多いのが、ビス自体の浮きです。
庇板金は風や熱で微妙に振動しています。
長年経過すると、
・木下地の痩せ
・熱膨張の繰り返し
・振動
によってビスがわずかに浮いてきます。
この浮きによって、
・ビス頭が動く
・周囲の塗膜が引っ張られる
・微細クラックが発生
という流れになります。
つまり、塗膜の割れに見えても、
実際は下地側の動きが原因というケースも多いのです。
コーキングを打ちすぎると逆効果になることも
「じゃあビス周りを全部コーキングすれば安心?」
と思われがちですが、実はこれも注意が必要です。
ビス頭を過剰にコーキングすると、
・熱がこもる
・伸縮差が大きくなる
・コーキングだけ先に硬化
・塗膜との境界で割れる
というケースがあります。
特に庇の上面は紫外線が強いため、
コーキングの劣化も早くなりやすいです。
下塗り不足でもビス周辺は割れやすくなる
庇板金では下塗りの密着力が非常に重要です。
もし、
・ケレン不足
・油分除去不足
・下塗りの乾燥不足
があると、ビス周辺の応力に耐えられず、
塗膜が先に切れてしまいます。
特に旧塗膜が残っている場合は、
・旧塗膜
・下塗り
・上塗り
それぞれの硬さが違うため、ビス周りだけ応力が集中しやすくなります。
実は“南面”だけ先に割れることもある
現場では、
・南面
・西面
だけビス周辺が先に割れるケースも珍しくありません。
これは日射による温度差が原因です。
北面に比べて、
・熱膨張量
・紫外線劣化
・板金温度
が大きくなるため、塗膜への負荷が増えます。
そのため同じ家でも、
・日当たり側だけヒビ
・風当たり側だけヒビ
という偏った劣化が起きることがあります。
庇板金のビス割れを防ぐ対策とは?
① ビスの増し締め・交換を先に行う
塗装前に、
・浮いているビス
・錆びているビス
を確認し、必要なら交換します。
これだけでも塗膜割れリスクはかなり減ります。
② 適切な膜厚で塗装する
「厚く塗れば長持ち」ではありません。
庇板金は特に、
・適正膜厚
・均一な塗布
が重要です。
ビス周りだけ塗料を溜めすぎない施工が理想です。
③ 柔軟性のある塗料を選ぶ
硬い塗料だけが高耐久とは限りません。
金属部では、
・追従性
・柔軟性
も非常に重要になります。
特に伸縮が大きい庇では、塗料選定が耐久性を左右します。
④ 下地処理を丁寧に行う
庇板金は下地処理で寿命がかなり変わります。
・ケレン
・脱脂
・錆除去
・下塗り乾燥
を丁寧に行うことで、ビス周辺の密着力も安定しやすくなります。
まとめ
庇板金のビス周りから塗膜が割れるのは、単純な塗装不良だけではありません。
主な原因としては、
・金属の熱伸縮
・ビス固定部への応力集中
・ビス浮き
・塗膜の厚み
・塗料の硬化
・下地の動き
など、複数の要因が重なっています。
特に庇は想像以上に熱を持ち、動く部位です。
そのため、
ただ塗るだけではなく、
「どこが動くか」を理解した施工
が長持ちする塗装につながります。
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