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水性塗料の「界面活性剤残留」がもたらすカビ・藻リスクとは?

豆知識

2025.10.18 (Sat) 更新


大阪の自社職人による安心・信頼の外壁塗装・屋根塗装・雨漏り修理、専門店ラディエントです。大阪の谷町にある空堀通商店街の入り口にショールームがあります!いつもラディエントの現場ブログご覧いただきありがとうございます♪このブログでは、外壁塗装に関する豆知識やお家まわりの情報を発信しています。ご自宅・マンション・ビルの塗り替えをお考えの方!ぜひご参考になさってください!

皆さんこんにちは!ブログを執筆させていただきますラディエントの結城です。

はじめに

環境配慮や安全性の高さから、いまや住宅外壁塗装の主流となっている水性塗料。
しかし、この「水で溶く」構造の裏には、微生物繁殖を促す「科学的落とし穴」が潜んでいるのをご存じでしょうか?
それが、塗料内部に配合されている界面活性剤(サーファクタント)の残留によるカビ・藻の繁殖リスクです。

界面活性剤は「水と樹脂を混ぜるための必須成分」

水性塗料は、樹脂・顔料・添加剤などの疎水性成分(油系)を、親水性の水と均一に混ぜる必要があります。
その橋渡し役を担うのが界面活性剤です。
界面活性剤はその構造上、一方に水と親和する親水基、もう一方に油と親和する疎水基を持っています。
この特性により、塗料中の樹脂粒子を安定したエマルション状態で保ち、分離を防ぐ重要な役割を果たします。

塗膜乾燥後にも「微量の界面活性剤」が残る

問題は、塗布後に水が蒸発して塗膜が形成される際です。
理論上は、界面活性剤も揮発・分散して消えるべきですが、実際には塗膜表層に微量が残留することが確認されています。
この残留界面活性剤は親水性を強く持つため、水分を吸いやすく、また空気中の有機汚染物質(油脂・花粉・排気ガスなど)を吸着しやすい性質があります。
その結果、塗膜表面が微生物が好む湿潤で栄養豊富な環境へと変化してしまうのです。

カビ・藻が付着・繁殖するメカニズム

塗膜上の界面活性剤は、雨上がりや夜露時に水を吸って薄い水膜層を形成します。
この水膜中には、空気中の窒素化合物・有機物・ほこりが溶け込み、微生物の栄養源となります。
特に日当たりの悪い北面や湿気のこもる面では、藻類(緑藻)や黒カビが活発に繁殖。
やがて外観を損ねるだけでなく、塗膜のpH変化や表層劣化を促進し、耐候年数を縮める要因になります。

防カビ・防藻剤の限界と「界面活性剤の質」の重要性

多くの水性塗料には、防カビ・防藻剤が添加されています。
しかし、これらの薬剤は紫外線や雨水で徐々に分解・流出し、数年で硬化が低下します。
一方、界面活性剤の残留性は長期にわたるため、初期の配合バランスが悪い塗料ほど、数年にカビや再発が顕著になります。

最近の高耐候型水性塗料では、低残留型・非イオン系の界面活性剤や、樹脂自体に親水・疎水バランスを組み込む設計が採用され、界面活性剤そのもの生分解性・揮発性をコントロールする技術が進化しています。

実際の現場でおきる「誤解と見落とし」

塗膜表面のカビ・藻を見たとき、多くの施工業者は「立地条件」や「通風不足」を原因と捉えがちです。
しかし、同じ立地条件でも塗料によって繁殖の度合いが異なることから、根本原因の一つとして「界面活性剤の残留特性」を理解することが極めて重要です。
また、洗浄・下地処理で使う中性洗剤や高圧洗浄機のリンス不足も、表面に界面活性剤を追加してしまうケースがあり、「塗る前に界面活性剤を増やしてしまう」という逆効果にもつながります。

まとめ:塗膜の清潔性は「科学の微差」で決まる

水性塗料の品質差は、カタログ数値では測れない分子レベルの設計思想にあります。
界面活性剤の残留量を最小化する設計と、下地洗浄・乾燥管理の精度がそろってはじめて、長期にわたるカビ・藻の抑制性能が実現します。

塗料の選定時には、単に「防藻・防カビ仕様」だけではなく、界面活性剤の種類・残留性・分散安定性といった見えない化学的背景にも目を向けることが、美観維持と長寿命化のカギとなるのです。

ラディエントでは点検、診断、お見積りはすべて無料で行っています。またショールームの来店予約とお見積りでクオカード1000円分をプレゼントしています。是非お越しください!またラディエントが掲載されている外壁リフォームの教科書という本が販売されています。一冊572円で販売されていますのでこちらもよろしければご購入下さい。

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