【屋根劣化の盲点】谷部や軒先で起こる「負圧吸水」現象とは?
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皆さんこんにちは!ブログを執筆させていただきますラディエントの結城です。
屋根の劣化や雨漏りというと、多くの方が「上から雨水浸入」や「経年劣化による隙間」をイメージします。
しかし実際には、雨水が下から吸い上げられるように浸入する現象が存在します。
それが、「負圧吸水(ふあつきゅうすい)現象」と呼ばれるものです。
この現象は、特に谷部(たにぶ)や軒先部分で発生しやすく、見た目では判断しにくい隠れた雨漏り要因のひとつになっています。
Contents
負圧吸水のメカニズムとは?
屋根面に強風が吹きつけると、風上側と風下側で気圧差が生じます。
屋根の形状や角度によっては、この気圧差が「負圧(=吸い上げる力)」として働き、雨水が毛細管現象と合わさることで、上方向に雨水が吸い上げられてしまうのです。
特に以下のような条件が重なると、負圧吸水が顕著になります。
・台風や強風を伴う降雨
・谷部(屋根が交差して水が集中する場所)
・軒先やケラバなど、風の吹き上げを受けやすい部分
・勾配が緩い屋根(3寸勾配以下など)
・屋根材の重なり代が少ない、または方向を誤って施工している場合
このような条件では、屋根の重なり目から逆流的に水が浸入し、内部の防水層や野地板をじわじわと湿らせていきます。
見落とされやすい理由
負圧吸水は、通常の「雨漏りテスト」では再現できないことが多いのが厄介な点です。
散水試験をしても、静かな環境では吸い上げた力が発生しないため、実際の風雨条件を再現できません。
そのため、
・雨の日ではなく台風のときだけ漏れる
・濡れているように見えて屋根裏にシミが出ない
・谷板金や防水シートを新しくしても再発する
といった現象が起こります。
これらは、風圧と水圧の複合的な現象によって生じているため、表面的な補修では解決しないケースが多いのです。
現場で多い失敗例
①谷板金の立ち上がり不足(30mm未満)
負圧吸水によって谷板金の重なり部分から水が逆流。
②スレート屋根の重ね方向ミス
本来の排水方向と逆に施工されているため、吸い上げた屋根内部へ侵入。
③軒先部のルーフィング折り返し不足
軒先金物の下端から風が入り込み、下から防水層を持ち上げてしまう。
④屋根通気層の欠如
屋根裏の気圧変化を逃がせず、負圧が局部的に強くなる。
これらはいずれも「雨仕舞設計(あまじまいせっけい)」の段階での見落としが原因となることが多く、施工品質の差が大きく出るポイントでもあります。
対策と改善のポイント
負圧吸水を防ぐには、「風」と「水」の両方を制御する設計が求められます。
以下のような工夫が有効です。
・谷板金の立ち上がりを40mm以上確保する
・ルーフィングの重ね方向を必ず水下に向ける
・軒先には防風水切り金物を設置して吸い上げを制御
・通気層、排気棟を設けてを減らす
・屋根材メーカー指定の施工要領を厳守する
また、台風被害が多い地域では、風洞実験やCFD解析に基づいた屋根設計を行う企業も増えています。
見えない風の力を理解して施工することが、今後ますます重要になるでしょう。
まとめ:風と水の複合作用を侮らない
谷部や軒先での負圧吸水現象は、単なる雨漏りではなく、空気力学的な吸引現象です。
目に見えない風の力が、屋根の内部構造に深刻なダメージを与えることもあります。
屋根診断を行う際は、
「どの方向から風が吹いたときに漏れるのか」
「立ち上がり・通気・重ね方向は適正か」
といった視点で確認することが、長寿命化の一歩です。
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