庇工事で見落とされがちな「熱伸縮」と固定方法の重要性
2025.09.26 (Fri) 更新
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庇(ひさし)は、窓や玄関を雨や日差しから守るための小さな屋根として、多くの住宅に設置されています。デザイン性や実用性の観点から取り付けられることが多い部位ですが、実はこの庇は「熱伸縮」という建材特有の性質に大きな影響を受ける部材です。特に金属製の庇は温度差に敏感であり、その特性を理解せずに施工すると、ビスの緩みやシーリングの割れなど、後々の不具合につながりかねません。今回は、庇工事における「熱伸縮」と固定方法の関係について、詳しく解説していきます。
Contents
熱伸縮とは?庇が受ける日射と温度変化の影響
「熱伸縮」とは、建材が温度変化によって膨張・収縮を繰り返す現象のことです。例えば夏場の日中、庇の表面温度は直射日光を浴びることで60℃以上に達することもあります。一方で夜間や冬場には一気に10℃以下に下がることもあり、その温度差は数十度にも及びます。この大きな温度変化の中で、アルミや鋼板などの金属庇は数ミリ単位の伸び縮みを繰り返します。
見た目にはわからない小さな動きですが、毎日のように繰り返されることで、固定方法や外壁との取り合い部分に大きな負担を与えるのです。
熱伸縮がもたらす具体的なトラブル
庇の熱伸縮を考慮せずに施工すると、以下のような不具合が起こりやすくなります。
ビスの緩み、抜け
庇を強固に外壁へ固定すると、伸縮の力がビス穴に集中し、徐々に穴が広がってビスが効かなくなります。最悪の場合、庇が傾いたり外れる危険性もあります。
シーリングの破断
庇と外壁の取り合い部にはシーリング材を充填しますが、伸縮の動きによって引っ張られ続けると、早期に割れたり切れたりします。結果的に雨水が侵入しやすくなり、雨漏りにつながります。
庇本体の変形
長尺タイプの庇は特に熱伸縮の影響を受けやすく、真夏の強い日差しを受けると波打ちや反りが発生することがあります。その結果、庇に持たせた排水勾配が狂い、雨水が外へ流れずに滞留することもあります。
外壁材への悪影響
庇の動きが外壁を引っ張る形になると、サイディングやALCパネルにクラックが入ったり、取合い部分の仕上げ材が剥がれるといったトラブルを引き起こすこともあります。
固定方法の工夫でトラブルを防ぐ
庇の熱伸縮を完全に防ぐことはできません。しかし、施工時の固定方法を工夫することで、トラブルを最小限に抑えることが可能です。
①スライド式金具の採用
最近のメーカー製庇には、庇本体をしっかり固定しつつも、膨張・収縮に合わせて動きを許容する「スライド式」の取付金具が採用されています。こうした製品を選ぶことで、熱伸縮のリスクを抑えることができます。
②固定位置の工夫
長い庇を設置する場合は、一方を「基準固定」とし、もう一方には遊び(逃げ)を持たせることで動きを逃がします。全てのビスががっちり固定すると動きが逃げ場を失い、結果的に外壁や庇に負担がかかります。
③柔軟性のあるシーリング材を使用
シーリング材の中でも柔軟性を長期間保持できる製品を選ぶことで、多少の動きを吸収できます。ただし、シーリング材は経年劣化で硬化するため、定期的な点検と打ち替えが前提となります。
④材料選定の重要性
金属の種類によって熱伸縮の度合いは異なります。例えばアルミは鋼板に比べて熱膨張が大きいため、固定方法に特に注意が必要です。一方ステンレスやガルバリウム鋼板は比較的伸縮が小さいですが、それでも無視はできません。
実際の現場で起きた失敗例
DIYで取り付けたアルミ庇が数年で傾いたケース
ある住宅では、施主がDIYでアルミ製の庇を取り付けました。当初は問題なく使用できていましたが、数年が経過すると庇がわずかに傾き、ビスが効かなくなっているのが発覚しました。原因は、庇の熱伸縮によって固定用のビス穴が徐々に拡がり、金具がしっかり保持できなくなったことです。最終的には庇が片側だけで支えられるような不安定な状態となり、強風時には落下の危険性が生じました。
外壁とのシーリングが1年で切れて雨漏りが発生したケース
別の現場では、外壁サイディングに後付け庇を取り付けた際、取り合い部分にシーリング処理が行われました。しかし、庇の熱伸縮が考慮されていなかったため、わずか1年でシーリングが引き裂かれるように破断。そこから雨水が浸入し、サッシ上部から室内に雨漏りが発生しました。庇を取り付けて雨を防ぐつもりが、逆に雨水の侵入口を作ってしまった典型的な例です。
長尺庇が夏場に波打ち、雨水が滞留したケース
ある玄関庇は幅が長く、デザイン性を重視して薄いアルミ材で製作されていました。施工直後はきれいな直線を保っていたものの、夏場に直射日光を受けると庇全体が波打つように反り、中央部分が下がってしまいました。その結果、庇本来の排水勾配が狂い、雨水が外へ流れず中央にたまり続けました。放置すると塗膜剥離や腐食の原因になり、庇としての機能が著しく損なわれる事態となったのです。
まとめ
庇工事における「熱伸縮」は、普段は意識されにくい問題ですが、施工や材料選定を誤ると長期的に大きなトラブルを招きます。
・金属庇は数ミリ単位で伸縮することを理解する
・固定には「逃げ」を持たせる工夫が必要
・メーカー推奨の金具や柔軟なシーリングを選ぶ
・点検とメンテナンスを怠らない
これらを踏まえて施工することで、庇が本来持つ「建物を守る」という役割を長期間にわたって果たすことができます。庇は小さな部位ですが、その耐久性が外壁や窓まわりの寿命にも直結することを忘れてはいけません。
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