マンション外壁の見えない劣化ーコンクリートの「中性化」と鉄筋腐食の怖さ
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マンションの外壁は、日々の暮らしの中で住民が最も目にする部分であり、建物の「顔」といえる存在です。ところが、外壁の中で静かに進行し、目には見えにくいにもかかわらず建物寿命に大きな影響を与える劣化現象があります。それがコンクリートの「中性化」と、それに伴う鉄筋の腐食です。ひび割れや塗装の剥がれのように誰でも分かる症状とは異なり、気づかないまま放置されやすいのが大きな特徴であり、だからこそ「マイナーだけれど重要な知識」といえます。
コンクリートの中性化とは何か?
コンクリートは水や骨材(砂や砂利)にセメントを混ぜて作られる建材で、硬化すると強いアルカリ性(pH12〜13程度)を持ちます。このアルカリ性が、内部に埋め込まれた鉄筋を酸化から守る「不動態皮膜」をつくり、鉄筋を長期間錆びさせない役割を果たしています。
しかし、空気中の二酸化炭素(CO₂)が年月をかけてコンクリートに浸透し、セメント中の水酸化カルシウムと反応すると「炭酸カルシウム」が生成されます。この化学反応によってpHが下がり、コンクリートは徐々に中性に近づいていきます。これが「中性化」です。
外壁の塗膜や仕上げが健全であれば進行は遅いですが、ひび割れや吸水によってCO₂や水分が入りやすい状態だと、中性化は一気に加速します。
中性化の進行スピードと環境要因
中性化の進行速度は「中性化深さ(mm) ≒ k√t(年数)」という式で近似的に表されます。つまり、年数の平方根に比例して進むため、初期はゆっくりでも、時間が経過するほど深部に達していきます。
進行の早さには環境条件が大きく関わります。
・雨が多い地域 → 水分がコンクリート内部に運ばれやすく、CO₂との反応も進む。
・海沿いの建物 → 塩害によってコンクリートの劣化が複合的に進行し、鉄筋腐食が早まる。
・都市部の大気汚染 → CO₂濃度が高く、中性化が促進されやすい。
同じ築年数のマンションでも、立地や施工条件によって進行度合いは大きく異なるのです。
鉄筋腐食に至るメカニズム
コンクリートの中性化自体は見た目に大きな変化をもたらしません。しかし、問題はそれが鉄筋まで到達したときに起こります。
鉄筋は「被り厚(鉄筋からコンクリート表面までの距離)」で守られていますが、中性化がその深さに到達すると、鉄筋表面の不動態皮膜が失われ、錆が発生します。鉄は錆びると体積が約2〜4倍に膨張するため、周囲のコンクリートに強い圧力をかけます。これが原因でひび割れが生じ、さらに進行すると爆裂(コンクリートが破裂するように剥がれる現象)へと発展します。
外壁タイルの下地で爆裂が起これば、タイルが浮いたり落下したりする危険があり、歩行者や住民にとって大きなリスクとなります。
爆裂と安全面のリスク
鉄筋腐食による爆裂は単なる美観上の問題ではありません。
・外壁片の剥落による歩行者への落下事故
・外観の劣化による資産価値の低下
・雨水浸入によるさらなる劣化の連鎖
これらはマンション管理にとって深刻な問題であり、場合によっては大規模修繕工事を前倒しで実施せざるを得ない事態になります。
中性化の調査方法
管理組合や建物診断では「フェノールフタレイン試験」が用いられます。
①コンクリートを一部削って断面を露出させる。
②フェノールフタレイン溶液を吹きかける。
③アルカリ性部分は赤紫色に発色、中性化部分は無色のまま。
この方法で「どこまで中性化が進んでいるか」が明確になり、被り厚との比較で鉄筋腐食のリスクを判定できます。
中性化への対策と補修工法
予防策
・外壁に吸水防止材や表面保護塗材を塗布し、CO₂や水分の浸透を抑える。
・新築時には十分な被り厚を確保し、緻密で耐久性の高いコンクリートを使用する。
補修策
・鉄筋にまで中性化が到達している場合、コンクリートを斫り、鉄筋を露出させて錆を除去し防錆処理を行う。
・断面修復材で元の形状を回復し、必要に応じて表面保護材を追加して進行を食い止める。
・被害が広範囲に及ぶ場合は、大規模修繕として外壁補修と防水・塗装を同時に実施することが望ましい。
まとめ
コンクリートの中性化と鉄筋腐食は、外見からは分かりにくいものの、マンションの長寿命化において最も重要な課題の一つです。
・中性化は放置すれば必ず鉄筋に到達し、爆裂や剥落を招く。
・調査と診断によって早期に把握し、適切な補修や保護を行うことが不可欠。
・住民の安全や資産価値を守るためには、「見えない劣化」こそ最優先で管理すべきポイント。
マンションの管理組合やオーナーにとって、「中性化の知識を持ち、定期的にチェックする」ことこそが建物を長持ちさせる第一歩といえるでしょう。
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