波板の素材ごとの熱膨張トラブルと施工対策ガイド
2025.09.11 (Thu) 更新
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皆さんこんにちは!ブログを執筆させていただきますラディエントの結城です。
波板の張り替え工事では、「見た目の仕上がり」や「防水性」ばかりに注目しがちですが、素材ごとの熱膨張率を考慮しないと、数年以内に変形・割れ・雨漏りなどのトラブルに繋がることがあります。
特にポリカーボネート波板や塩ビ波板などの樹脂製品は、夏と冬で数ミリ~数センチ単位で伸縮するため、施工時のちょっとしたミスが寿命を大きく縮めます。
今回は、波板の素材ごとの熱膨張率の違いや、よくある失敗例、そしてプロが実施する施工対策について詳しく解説します。
Contents
- 波板素材ごとの熱膨張率と特徴
- ポリカーボネート波板の熱膨張率と特徴
- 硬質塩ビ波板の熱膨張率と特徴
- ガルバリウム波板(金属)の熱膨張率と特徴
- 熱膨張を無視した施工で起きるトラブル
- (1) ポリカ波板で多い波打ち・割れトラブル
- (2) 塩ビ波板で起きやすい硬化割れ
- (3) ガルバリウム波板でのビス浮き・バタつき
- 熱膨張対策の施工ポイント
- ビス穴は“少し大きめ”に開ける
- ワッシャー付きビスを使う
- 固定は“波の谷”が基本
- ビスの締め付けは仮止め感覚で
- 季節ごとに締め付けを変える
- プロが実践する現場の工夫
- 3m以上の長尺波板は“伸縮余裕”を必ず確保する
- 南面はUV対策を最優先に考える
- 専用ワッシャー付きビスで固定力と防水性を両立させる
- 温度変化テストで施工後の動きをチェックする
- 換気計画を意識した張替えで裏面結露を防ぐ
- まとめ
波板素材ごとの熱膨張率と特徴
波板には主にpリカーボネート・硬質塩ビ・ガルバリウム鋼板の3種類が使われます。
それぞれの特徴と熱膨張を比較すると、次のようになります。
ポリカーボネート波板の熱膨張率と特徴
ポリカーボネート波板は、現在最も一般的に津合われる波板で、透明性が高く耐衝撃性にも優れた素材です。
ただし、熱膨張率が非常に大きいという特徴があります。おおよそ0.065~0.07mm/m・℃で、3mの波板なら夏と冬の温度差40℃で約6~7mmも伸縮します。
この膨張収縮が大きいことから、ビス穴を小さく開けたり、ビスを強く締めすぎると、膨張時に波板が波打ったり、冬場の収縮時にビス穴からクラックが入るリスクがあります。
また、UVカット加工が片面のみの場合が多いため、施工時は紫外線カット面を外側に向けることが長寿命化のポイントです。
硬質塩ビ波板の熱膨張率と特徴
硬質塩化ビニル(塩ビ)波板は、価格が安く軽量で加工しやすいことから、昔から多く使われてきた素材です。
熱膨張率は約0.05~0.055mm/m・℃で、ポリカーボネートよりはやや小さいですが、それでも3mの場合で約4~5mm程度は伸縮します。
ただし塩ビ並居屋は紫外線に弱く、5~7年程度で硬化が進むため、冬場の低温収縮時にビス穴周辺から割れやすくなります。
また、表面が白濁してきたり硬化して弾力を失うと、強風時に裂けやすくなる点もデメリットです。
コスト重視で選ばれることが多い素材ですが、長期耐久性を求める場合は避けるか、ポリカ波板への切り替えを検討するのがおすすめです。
ガルバリウム波板(金属)の熱膨張率と特徴
ガルバリウム鋼板製の波板は、金属ならではの高耐久性と耐候性が特徴です。
熱膨張率は約0.012mm/m・℃と非常に小さく、3mの波板でも夏冬の温度差40℃でわずか1〜2mmしか動きません。
そのため、ポリカや塩ビのような波打ちやクラックの心配はほとんどありません。
ただし、金属特有の弱点として、ビスの緩みや波板のバタつきが起きやすい点に注意が必要です。
温度差による膨張収縮は小さいものの、ビス穴とのわずかな隙間で動きが出やすく、強風時にガタガタ音がすることがあります。
そのため、専用のワッシャー付きビスや防水パッキンを使ってしっかり固定し、サビ対策も同時に行うのが理想です。
熱膨張を無視した施工で起きるトラブル
(1) ポリカ波板で多い波打ち・割れトラブル
◆症状:夏に波板が膨らんで波打つ、冬に収縮でクラック発生
◆原因:固定ビスを強く締めすぎて、波板が熱膨張で逃げ場を失う
◆結果
・波板が歪んで見た目が悪化
・ビス穴周辺から放射状にヒビ割れ
・最悪の場合、強風時に波板が破損・飛散
(2) 塩ビ波板で起きやすい硬化割れ
◆症状:冬に波板がパキッと割れる
◆原因
・紫外線劣化により波板が硬化
・低温収縮でビス穴に応力集中
◆結果
・ビス穴からヒビが伸びる
・風や雪の荷重で波板が裂ける
(3) ガルバリウム波板でのビス浮き・バタつき
◆症状:風が強いと波板がガタガタ音を立てる
◆原因
・金属なので膨張は小さいが、温度差でビスが緩む
◆結果
・ビス穴が広がり、サビで腐食
・台風時に波板がバタつき、最悪剥離
熱膨張対策の施工ポイント
ビス穴は“少し大きめ”に開ける
・波板専用のビス穴は波板径+1mmが基本
・ポリカ波板の場合、+2mmにするケースもある
ワッシャー付きビスを使う
・波板専用のゴムワッシャー付きビスで膨張時の応力を逃がす
・錆対策としてステンレスビスを推奨
固定は“波の谷”が基本
・波の山にビスを打つと、熱膨張時に山が潰れて波板が変形
・谷にビスを打つことで、力を逃がしやすくなる
ビスの締め付けは仮止め感覚で
・インパクトドライバーで強く締めすぎない
・ゴムワッシャーが“軽く潰れる”程度が理想
季節ごとに締め付けを変える
・夏施工 → 波板が膨張しているので、やや緩めに固定
・冬施工 → 波板が収縮しているので、ややきつめに固定
プロが実践する現場の工夫
3m以上の長尺波板は“伸縮余裕”を必ず確保する
波板が3mを超える場合、熱膨張による変形リスクが急激に高まるため、固定方法に工夫が必要です。
ポリカーボネート波板では夏冬で最大1cm近く伸縮することがあるため、プロはビス穴を大きめに開けたり、ビスの固定数を意図的に減らしてエキスパンションジョイント的な余裕を持たせます。
また、波板の端部は5mm程度の隙間を確保して、膨張時に外壁や樋に干渉しないようにするのが基本です。
南面はUV対策を最優先に考える
波板は南向きの屋根やテラスなど、紫外線が強く当たる場所ほど劣化が早くなります。
プロは施工時に必ずUVカット加工面を外側に向けることを確認し、さらに場合によってはポリカーボネートの厚板タイプ(2.0mm以上)やフッ素コーティング波板を選定します。
また、南面では波板の寿命を延ばすために、下地材への遮熱塗装を同時に行うこともあります。
これにより、波板裏面の温度上昇を抑え、熱膨張トラブルや変形を防ぐことができます。
専用ワッシャー付きビスで固定力と防水性を両立させる
プロは波板専用のゴムワッシャー付きステンレスビスを標準で使用します。
このワッシャーは膨張時の波板の動きを吸収しつつ、雨水の侵入を防ぐ役割を果たします。
特にポリカ波板では熱膨張が大きいため、ビスを強く締めすぎないよう注意し、ゴムワッシャーが軽くつぶれる程度で止めるのがコツです。
また、ガルバリウム波板など金属素材の場合は、防水パッキン付きのキャップビスを併用することで、ビス穴からのサビや雨漏りを長期的に防げます。
温度変化テストで施工後の動きをチェックする
プロは施工完了後、温度変化テストを行って波板の動きを確認します。
具体的には、施工直後に日なたで1〜2時間放置し、波板が熱で膨張したときにビス周りが正常に動くかをチェックします。
このテストを行うことで、ビスの締め付け不足や締めすぎによる波打ち・クラックなどを事前に防ぐことができます。
特に夏場施工では必須の工程で、波板の長期耐久性に直結する重要な作業です。
換気計画を意識した張替えで裏面結露を防ぐ
プロは波板の張替え時に、裏面結露対策も同時に考慮します。
波板屋根は密閉状態になると湿気がこもり、胴縁や母屋の腐朽につながるため、先端部や棟部分に通気スペースを確保するのが基本です。
また、湿気が抜けにくい環境では、波板裏面に透湿防水シートを追加して結露水を外部へ排出する方法も採用されます。
こうした工夫で、波板本体だけでなく、下地材の長寿命化にもつなげることができます。
まとめ
波板の熱膨張率は素材によって大きく異なり、施工方法を間違えると
・波板の波打ち
・ビス穴割れ
・ビス浮き
・波板飛散
などの深刻なトラブルを引き起こします。
素材の特性を理解した上で、下穴径・ビス選定・固定位置・締め付け具合・施工時期を適切に管理することが、長寿命化のカギです。
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