外壁レンガの含水率と凍害メカニズムを解説します!
2025.09.09 (Tue) 更新
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皆さんこんにちは!ブログを執筆させていただきますラディエントの結城です。
外壁レンガは重圧感と高級感があり、メンテナンス頻度も比較的少ないため人気のある外壁材です。
しかし、意外と知られていないのが「レンガは完全に無吸水ではない」という事実。
含水率が高いレンガを選んだり、設計・施工が不適切な場合、冬季に凍害(フリーズ・スパリング)を起こし、外壁に深刻なダメージを与えることがあります。
今回は、外壁レンガの含水率と凍害リスクについて、建築現場で実際に起きた事例を交えながら詳しく解説します。
Contents
含水率とは?レンガは水を吸う素材
レンガは高温で焼き固められたセラミック系外壁材ですが、製品によっては内部に微細な空隙(気泡)が多く残っているため、水を吸いやすい性質を持っています。
この「水をどれくらい吸うか」を数値化したものが含水率です。
レンガの種類別・吸水率の目安
①磁器質レンガ(吸水率:約3~5%以下)
磁器質レンガは、約1200℃以上の高温で焼成されるため、非常に緻密な構造を持つレンガです。
内部の空隙が少ないため、吸水率は3~5%以下と低く、外壁材として非常に優れた耐久性を誇ります。
水をほとんど吸わないため、凍害にも強く、寒冷地での使用に向いています。
✅メリット
・吸水率が低いため、凍害リスクが非常に小さい
・白華(エフロレッセンス)が発生しにくい
・汚れが付きにくく、メンテナンス性が高い
✅デメリット
・焼成温度が高いため、製品コストが高め
・表面が硬く、施工時に切断しにくい
施工時の注意点
磁器質レンガは吸水が少ないので、モルタルとの付着率が弱くなりやすいため、接着力の高いモルタルや専用接着剤の併用が推奨されます。
②せっ器質レンガ(吸水率:約5~10%)
せっ器質レンガは、磁器質レンガよりやや低い温度(約1000℃~1200℃)で焼成されるため、ある程度の吸水性を持っています。
現在、日本の外壁レンガで最も多く使われているのがこのタイプです。
吸水率は5~10%程度で、一般的な住宅外壁としては十分な耐久性を発揮します。
✅メリット
・適度な吸水性があるため、モルタルとの付着性が良い
・磁器質レンガよりも安価でコストパフォーマンスが高い
・デザインのバリエーションが豊富で、色や質感の選択肢が広い
✅デメリット
・磁器質より吸水性が高いため、寒冷地では凍害のリスクがある
・通気層や防水処理を怠ると白華が発生しやすい
施工時の注意点
凍害リスクを避けるために、背面通気層の確保と透湿防水シートの確実な施工が重要です。
また、笠木や開口部周りの防水処理も丁寧に行う必要があります。
③多孔質レンガ(吸水率:約10〜20%)
多孔質レンガは、内部に小さな気泡を多く含む構造で、非常に高い吸水性を持つレンガです。
デザイン性が高く、アンティーク調や意匠性重視の住宅でよく採用されます。
しかし、吸水率が10〜20%と高いため、凍害や白華のリスクが最も高いタイプです。
✅メリット
・表面がマットで柔らかな質感があり、意匠性が高い
・軽量で施工しやすい
・経年変化で自然な風合いを楽しめる
✅デメリット
・吸水率が非常に高く、凍害リスクが大きい
・白華やカビ、藻が発生しやすい
・定期的な防水メンテナンスが必須
施工時の注意点
・防水性能の高い目地モルタルを使用する
・表面に浸透性防水材を塗布して吸水を抑える
・背面通気層を十分に確保し、排水設計を徹底する
含水率が高いと起きる「凍害」のメカニズム
凍害とは、レンガ内部に侵入した水分が凍結と融解を繰り返すことで、表面や内部にひび割れや剥離を起こす現象です。
このトラブルは寒冷地で特に多発します。
凍害が起きるプロセス
①雨水・雪解け水・結露水などがレンガ内部に浸透
②外気温が0℃以下になると内部の水分が凍結
③氷になると約9%膨張
④レンガ内部に膨張圧がかかり、微細クラックが発生
⑤繰り返しの凍結融解サイクルで、最終的に表面が剥離(スパリング)
この現象は、吸水率が高いレンガほど起きやすいだけでなく、「乾きにくい北面」や「排水不良部」などでも発生しやすいです。
凍害が発生しやすい条件
実際の施工現場を調査すると、以下の条件が揃うと凍害リスクが大幅に上がることがわかっています。
・寒冷地(北海道・東北・北陸)で氷点下になる日が多い
・吸水率が10%以上のレンガを使用している
・透湿防水シートや背面通気層が不十分
・目地モルタルにクラックや欠損がある
・屋根・笠木の雨仕舞いが悪く、雨水がレンガ内部へ侵入
・北面・日陰など乾きにくい環境
こうした条件が重なると、数年で外壁に欠損や剥離が起きるケースも珍しくありません。
凍害を防ぐための設計・施工のポイント
凍害を未然に防ぐためには、設計段階から「水を侵入させない」「水を滞留させない」対策が必要です。
(1) レンガ選定のポイント
・吸水率5%以下の磁器質レンガを選ぶ
・メーカーの凍結融解試験データを確認
・多孔質レンガを採用する場合は、防水・通気対策を強化する
(2) 通気・排水設計
・胴縁+透湿防水シートで背面通気層を確保
・レンガ下部の水抜き穴(ウィープホール)を塞がない
・笠木・開口部で水が抜ける経路を確保する
(3) 目地モルタル施工の注意点
・モルタルを高密度でしっかり充填
・三面接着を避け、二面接着を基本とする
・可塑剤入りモルタルやシーリング材を併用して柔軟性を確保
(4) 定期点検・メンテナンス
・目地モルタルのひび割れ・欠損を早めに補修
・白華(エフロ)が出た場合は通気・排水経路をチェック
・北面や日陰部の高圧洗浄は避ける(吸水を防ぐため)
まとめ
外壁レンガは適切に選定・施工・メンテナンスを行えば50年以上の耐久性を誇ります。
ただし、含水率を無視した設計や施工不良は凍害による劣化を早める最大の原因です。
凍害を防ぐ3つの鉄則
・吸水率5%以下のレンガを選ぶ
・背面通気層と水抜き設計を徹底する
・目地モルタルのひび割れ・欠損を早期発見・補修する
これらを守ることで、凍害リスクを最小限に抑え、美しいレンガ外壁を長期間維持できます。
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