屋根点検で見落としがち!野地板が腐る「隠れ劣化」とは?
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皆さんこんにちは!ブログを執筆させていただきますラディエントの結城です。
屋根の点検といえば、つい瓦やスレートなど「表面の状態」ばかりに目が行きがちです。
しかし、実は屋根材の下にある「野地板(屋根下地)」が内部で腐ってしまう「腐れ腐朽」が、近年の点検現場で非常に多く見つかっています。
野地板は屋根材を支える重要な構造材で、腐朽が進むと雨漏り・強風被害・断熱性能低下など、住宅全体に深刻な影響を与えかねません。
今回は、屋根診断プロが現場でよく遭遇する「隠れ腐朽」の原因・見つけ方・対策までを詳しく解説します。
Contents
隠れ腐朽とは?外観だけでは分からない屋根劣化
野地板は、屋根材やルーフィングの下にある木製の下地材です。
この野地板が見た目では問題がなさそうでも、内部で普及が進んでいる状態を「隠れ腐朽」と呼びます。
外観では分かりにくい理由
・屋根材で隠れているため直接確認できない
・室内に雨漏りのシミが出ないケースも多い
・表面塗装だけでは普及を隠してしまうこともある
つまり「塗装して見た目はきれい」でも、野地板が限界を迎えているケースが意外と多いのです。
隠れ腐朽が起きる主な原因
①小屋裏結露による内部腐朽
屋根下地の隠れ腐朽で最も多い原因の一つが、小屋裏の結露です。
特に冬季は、室内の暖かい湿気が屋根裏に上昇し、外気との温度差で野地板の裏面に水滴が付きやすくなります。
この結露水が乾かない状態が続くと、木材内部にまで水分が浸透し、腐朽菌が繁殖しやすくなります。
さらに、断熱材が不十分な住宅では、結露の発生頻度が高まりやすく、野地板が常に湿気を帯びた状態になります。
小屋裏換気口が少ない家や、軒天の換気が弱い家では、屋根全体で隠れ腐朽が進む危険性が高いのです。
★現場でのポイント
・屋根裏に入り、野地板裏面のカビ・黒ずみを確認
・換気棟や有孔軒天など、小屋裏換気の有無をチェックする
・吹付断熱施工時は、湿気対策が不十分だと結露リスクが増すので注意
②雨水の微細な侵入による腐朽
次に多い原因は、屋根材や板金部分から微量な雨水の浸入です。
例えば、瓦やスレートの割れ、棟板金や谷樋のピンホールなど、わずかな隙間から長期間にわたって水が浸入すると、野地板が局所的に湿ったままの状態になります。
最初は少しずつでも、長年かけて浸透した水分が木材を劣化させ、知らないうちに隠れ腐朽が進行します。
さらに、ルーフィング(防水シート)の寿命切れも大きな要因です。
築20年以上経過した住宅ではルーフィングが硬化・亀裂を起こしやすく、少量の雨水でも野地板まで届きやすくなるのです。
★現場でのポイント
・屋根表面に波打ちやたわみがあるか目視で確認
・棟板金、谷樋周辺は特に腐朽が多いので重点的に点検
・赤外線カメラで温度差を測定すると、湿っている箇所は周囲より低温になっていることが多い
③古い野地板の材質による耐久性不足
築30年以上の住宅では、野地板に「バラ板」が使われているケースが多く、これが隠れ腐朽のリスクを高める原因となります。
バラ板は、幅10cm程度の薄い木材を並べて釘で打ち付けたもので、水分を吸収しやすく乾きにくい性質があります。
そのため、湿気や微量な雨水を受けると短期間で腐朽が進みやすいのです。
一方、現在主流の「構造用合板」は耐久性が高く、多少の湿気では腐朽しにくい設計になっています。
しかし、古い住宅ではバラ板が使われていることが多く、塗装による表面保護だけでは寿命を延ばせないケースも少なくありません。
★現場でのポイント
・屋根裏から野地板を確認し、バラ板か合板かを見分ける
・バラ板の場合は塗装だけではなく、葺き替え時に構造用合板へ交換するのが理想
・葺き替えの際は、高耐久ルーフィングとセットで施工することで、今後の腐朽リスクを大幅に軽減できる
隠れ腐朽を見抜くための現場テクニック
①叩診チェック
屋根裏から野地板を軽く叩き、「コツコツ」と乾いた音なら健全、「ボソボソ」と鈍い音なら腐朽の可能性が高いです。
②ドリルテスト
小さなドリルで野地板を貫通させ、削りカスを確認します。
・健全→明るい色で乾燥
・腐朽→黒っぽく湿り気があり、もろい
③赤外線サーモグラフィー
屋根表面から赤外線カメラで温度ムラを測定すると、腐朽部分は水分を含むため周囲より低温になりやすく、隠れ腐朽を早期発見できます。
隠れ腐朽を放置すると起こるリスク
①屋根材の固定が効かなくなる
野地板が腐朽すると、屋根材を固定している釘やビスが効かなくなるのが最初の大きなリスクです。
通常、瓦やスレート、板金などの屋根材は、野地板に直接釘やビスで固定されています。
しかし野地板が腐って柔らかくなると、固定力が著しく低下し、強風時に屋根材がズレたり外れたりしやすくなります。
特に棟板金やケラバ板金などの金属部材は、風の影響を強く受けるため、野地板の腐朽が進むと強風被害による飛散事故のリスクが一気に高まります。
◆現場でよくあるケース
・台風の後、棟板金が飛ばされた住宅を点検すると、野地板が腐ってビスが全く効いていなかった
・釘がサビて抜けてしまい、板金ごと外れていた
②雨漏りのリスクの急上昇
隠れ腐朽が進むと、ルーフィング(防水シート)を支えている野地板がたわみ、その結果、雨水の浸入を防げなくなるのが次の大きなリスクです。
特に、ルーフィングの上に水が溜まると「水の逆流現象」が起こり、瓦やスレートの重なり部分から雨水が吸い上げられてしまうことがあります。こうなると、屋根材が健全でも内部への雨漏りが急増する可能性があります。
さらに、腐朽部分がスポンジのように水を吸ってしまうため、一度雨漏りすると乾きにくい再発しやすいのも隠れ腐朽の厄介な点です。
◆現場でよくあるケース
・屋根表面は問題なさそうなのに、天井裏で局所的に雨染みを発見
・雨漏り調査をしたら、野地板が腐ってルーフィングが沈み込んでいた
③小屋裏全体への被害大
野地板の隠れ腐朽を放置すると、被害は屋根だけにとどまらず、小屋裏全体に広がるリスクがあります。
腐朽した木材はカビや腐朽菌が繁殖すると室内の空気環境にも悪影響を与え、シックハウス症候群やアレルギー症状の原因になることもあります。
◆現場でよくあるケース
・天井裏の断熱材に黒カビがびっしり付着していた
・野地板から垂木まで腐朽が広がり、屋根全体を補強しなければならなかった
④修繕費用が大幅に高額化する
隠れ腐朽を放置することで、修繕コストが膨れ上がるリスクも非常に大きいです。
例えば、腐朽が初期段階であれば、ルーフィングの張り替えや部分補修で対応可能な場合もあります。
しかし、放置して進行してしまうと、野地板全体の交換が必要になり、場合によっては垂木や母屋など構造材の補強工事まで必要になることがあります。
修繕範囲が広がれば、足場代や材料費も含めて工事費用は数十万円から百万円単位に跳ね上がるケースもあります。
特に、築30年以上の住宅では、腐朽の進行スピードが早い傾向があるため、早期発見・早期対応がコスト面で非常に重要です。
隠れ腐朽を防ぐための実務チェックリスト
・屋根面の波打ち・たわみの有無を目視で確認
・屋根裏から野地板の変色やカビを観察
・棟板金・谷樋周辺の湿度を重点的にチェック
・赤外線カメラで温度差を調べる
・築古住宅では野地板の材質を必ず確認
・葺き替え時は構造用合板+高耐久ルーフィングを採用
まとめ
屋根のメンテナンスというと、塗装や屋根材の交換ばかりに意識が向きがちですが、
本当に大切なのは**「見えない野地板」**の状態を正しく把握することです。
・見た目がきれいでも内部で腐朽している可能性がある
・赤外線カメラや叩診で早期発見が可能
・築30年以上なら葺き替え時に野地板交換を検討すべき
定期的な点検と、適切な補修・換気対策を組み合わせることで、
屋根の寿命を10年、20年と延ばすことができます。
ラディエントでは点検、診断、お見積りはすべて無料で行っています。またショールームの来店予約とお見積りでクオカード1000円分をプレゼントしています。是非お越しください!またラディエントが掲載されている外壁リフォームの教科書という本が販売されています。一冊572円で販売されていますのでこちらもよろしければご購入下さい。
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