屋上塩ビシート防水で「グレー」が選ばれる本当の理由
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皆さんこんにちは!ブログを執筆させていただきますラディエントの結城です。
屋上防水の中でも、近年もっとも多く採用されている塩ビシート防水です。施工のスピードや溶着の確実性に優れ、改修工事でも安定した性能を発揮するのが大きな強みです。
しかし、防水シートの「色」について深く考えたことはあるでしょうか?
実は塩ビシートの標準色はほとんどがグレー系です。白や黒といった極端な色は少なく、なぜか「中間色」であるグレーが採用され続けています。
この背景には、温度・汚れ・景観・補修のしやすさといった、意外と奥深い理由が隠されています。
Contents
熱と反射率のバランスが良い
まず一番大きな理由は温度変化のコントロールです。
屋上防水は直射日光を強く受けるため、夏場には表面温度が70℃以上になることもあります。
白色シートの場合
白色の塩ビシートは、太陽光を強く反射するため、初期状態では屋上表面温度の上昇を抑える効果が非常に高いというメリットがあります。真夏でも黒い屋根に比べて表面温度が数十℃低くなるケースもあり、建物内部の温熱環境や空調負荷の軽減につながります。
しかし一方で、白は汚れが非常に目立つ色です。土埃や排気ガスの煤煙が付着すると、数年で反射率が急激に低下し、結局は「熱を持ちやすい屋根」に変わってしまうことがあります。そのため白を選ぶ場合は、定期的なメンテナンスが前提となるのです。
黒色シートの場合
黒色は太陽光をほとんど吸収してしまうため、夏場の表面温度は非常に高くなりやすいのが特徴です。シート自体が柔らかくなり、膨張収縮を繰り返すことで、接合部や端末部に強いストレスがかかります。その結果、ひび割れやシワ、溶着部の劣化といった不具合が進みやすくなるのです。
ただし、汚れが目立ちにくいという利点はあります。しかし熱によるダメージが大きいため、長期的な安全性にはやや不利といえます。
グレー系シートの場合
グレーは白と黒の中間に位置するため、反射率と吸収率のバランスがちょうど良い色です。真夏でも黒ほど表面温度が上がらず、白のように汚れによる性能低下も目立ちにくいのが特徴です。
また、シートの伸縮も過度にならないため、接合部や端末部のストレスが小さく、長期的に安定しやすいというメリットがあります。こうした理由から、現場では「熱にも強く、汚れにも強い色」としてグレーが標準採用されるケースが多いのです。
汚れが目立ちにくい
防水シートは屋外環境にさらされるため、どうしても土埃・煤煙・鳥のフンといった汚れが付着します。
白色シートの場合
白色の塩ビシートは、初期の見た目が明るく清潔感があるため、意匠的に好まれることがあります。
しかし、屋上は常に外気にさらされているため、土埃・煤煙・鳥のフン・雨水の流れ跡など、あらゆる汚れが付着しやすい環境です。白色はこうした汚れとのコントラストが非常に強いため、ほんの少しの汚れでも目立ちやすいのが難点です。
さらに、汚れが付着すると見た目の劣化だけでなく反射率の低下も招くため、省エネ性能を維持したい場合は定期的な洗浄メンテナンスが必須となります。
「初期は美しいが維持管理が大変」という点が、白色シートの大きな特徴です。
黒色シートの場合
黒色の塩ビシートは、汚れが目立ちにくいという点で優れています。
特に煤煙や土埃など、暗い色の汚れは黒と同化しやすく、施工から数年経っても見た目は比較的安定しています。
ただし、黒いシートでも問題になるのがチョーキング(表面が粉を吹いたように白っぽくなる現象)や退色です。長期間紫外線を浴びることで、黒がグレーがかって見えたり、部分的にムラが生じることがあります。
また、見た目はきれいでも黒は熱を吸収しやすいため、汚れ管理は楽でも熱劣化による寿命の短縮リスクがある点には注意が必要です。
グレー系シートの場合
グレーは、白と黒の“中間色”であることから、汚れが最も目立ちにくいバランスの取れた色です。
例えば、白い鳥のフンや雨だれ汚れは黒より目立たず、逆に煤煙などの暗い汚れも白ほど強く浮きません。結果として、見た目の変化が緩やかで、清掃頻度を抑えても外観を安定的に保ちやすいのが大きなメリットです。
また、反射率が適度にあり、表面の温度上昇も抑えやすいため、汚れのこびりつきも軽減されます。
こうした「見た目・性能・維持管理コスト」のバランスが優れていることから、グレー系は現場で最も選ばれやすい色となっています。
眩しさを防ぎ、環境にも優しい
屋上の防水面は、近隣の高層階や自分の建物の上層部からも見える部分です。
白色は反射が強すぎて、**眩しいギラつき(グレア)**を周辺に与えることがあります。点検時にドローンで撮影しても、白飛びして状態が見えにくいこともあるほどです。
グレーは反射が穏やかで、周辺への配慮や点検時の視認性に優れています。景観面でも落ち着いており、都市部のビル群に馴染みやすい色といえるでしょう。
補修跡が目立ちにくい
屋上は空調機器の更新や点検口まわりの補修など、部分的な補修作業が避けられません。
白色はロット違いや経年差で「白の白さ」が異なり、補修跡がどうしてもツギハギのように目立ちます。
一方でグレーは補修したシートが比較的馴染みやすく、全体として違和感の少ない仕上がりにできます。長期的な見た目の美しさを考えると、この点も大きなメリットです。
材料設計上も有利
塩ビシートは紫外線には比較的強い素材ですが、熱による可塑剤の移行や寸法変化には注意が必要です。
極端な白や黒では、顔料の配合や劣化挙動のコントロールが難しくなります。
その点、グレーは顔料バランスの自由度が高く、退色・汚れ・熱吸収のすべてを平均化できるため、材料として安定性を保ちやすいのです。
実務的な色選びのポイント
白系シートを選ぶ場合
白系シートは、太陽光反射率が高く、屋上温度を大幅に下げる効果があるため、省エネ性能を最優先したい建物に向いています。
例えば、最上階がオフィスや住居で、冷房負荷を少しでも軽減したい場合に有効です。
ただし、白は汚れが非常に目立つため、施工から数年で見た目が劣化しやすく、さらに汚れによって反射率が低下すると、省エネ効果も次第に薄れていきます。
そのため白を選ぶ場合は、年1回程度の定期的な清掃メンテナンスが前提です。
また、ドローン点検や屋上利用時に太陽光の反射が眩しいと感じることがあるため、周辺環境や視認性への配慮も必要になります。
★白系が向いている建物例
・空調費を抑えたいオフィスビル・学校
・ヒートアイランド対策が求められる都市部の建物
・年間メンテナンス予算を確保できる施設
グレー系シートを選ぶ場合(最も一般的)
グレー系シートは、汚れ・温度・景観・補修のしやすさのバランスが非常に良く、最も採用されやすい色です。
白に比べて汚れが目立ちにくく、黒よりも表面温度が上がりすぎないため、長期的な安定性に優れます。
また、太陽光の反射が穏やかで、周囲の建物や上層階への眩しさを抑えられる点も大きなメリットです。
さらに、補修時に使うパッチシートや新旧シートの色差が目立ちにくいので、長期的に美観を保ちやすいという実務的な利点もあります。
景観性と維持管理コストの両立を考えるなら、明るめ~中明度のグレーを選ぶと失敗しにくいです。
★グレー系が向いている建物例
・商業施設・マンション・倉庫など幅広い用途
・屋上を歩行利用しない事務所ビル
・清掃頻度を最低限に抑えたい施設
濃グレー(黒寄り)シートを選ぶ場合
濃グレーや黒寄りのシートは、デザイン性や景観重視の建物で選ばれることが多いです。
例えば、モダンな外観の高級マンションやデザイン性重視の施設では、外壁や設備と色を合わせる目的で採用されるケースがあります。
しかし、黒寄りのシートは太陽光を強く吸収するため、夏場の表面温度が非常に高くなりやすいというデメリットがあります。
熱によるシートの膨張収縮が大きく、接合部や端末部に負担がかかりやすいため、長期的な耐久性ではグレー系より不利です。
また、汚れは目立ちにくいものの、紫外線による退色や白っぽいチョーキングが出やすい点にも注意が必要です。
★濃グレーが向いている建物例
・デザイン性を重視した高級マンション
・屋上の温度上昇より景観を優先したいビル
・周囲に高層ビルがなく、グレア(眩しさ)を気にしなくてよい建物
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