ステンレスよりガルバリウム鋼板の谷樋が長持ちすることがある理由
2025.08.17 (Sun) 更新
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皆さんこんにちは!ブログを執筆させていただきますラディエントの結城です。
屋根工事の現場で「谷樋はステンレスにしておけば安心」と考える方は多いです。
確かにステンレスは錆びにくく、耐久性の高い金属として有名です。しかし、谷樋という場所は、単純に「錆びにくい金属だからOK」という話では済みません。
実際には、条件によってステンレスよりガルバリウム鋼板のほうが長持ちするケースが存在します。今回はその理由を、現場目線で詳しく解説します。
Contents
ステンレスは「錆びない」わけではない
ステンレスは、表面に形成される不動態被膜によって錆びにくさを保っています。
しかし、谷樋のように常に雨水が流れ、泥や落ち葉が溜まりやすい場所では、その被膜が破壊されやすくなります。
例えば、、、
・泥や落ち葉で湿気がこもる
・雨水に含まれる塩分(海沿い地域)
・上流から流れてきた鉄分や屋根材の破片
・工場地帯の酸性雨や化学物質
こうした条件が揃うと、耐久性の高いはずのステンレスでも、10~15年ほどで腐食や穴あきが起こることがあります。
もらい錆がステンレスの天敵
谷樋の上には屋根材や金具など、さまざまな金属部品があります。
もしそれらが錆びると、その錆が雨水と一緒に流れ込み、ステンレス表面にもらい錆を発生させます。
もらい錆はステンレス自身の防錆力では防ぎきれず、一度発生すると点食(小さな穴)が広がりやすくなります。
谷樋の底部に小さな穴が開くと、見えないうちに屋根下地や室内への雨漏りに直結します。
ガルバリウム鋼板の「水切れ性能」が有利に働く
ガルバリウム鋼板は、アルミ・亜鉛・ケイ素を組み合わせた特殊メッキ鋼板で、表面が滑らかで水弾きが良いのが特徴です。
この性質により、谷樋に使用すると次のようなメリットが得られます。
水の流れがスムーズで、滞留しにくい
ガルバリウム鋼板の表面は、**アルミ55%+亜鉛43.4%+ケイ素1.6%**の合金メッキ層で覆われています。
このメッキ層は非常に滑らかで、雨水や雪解け水をスムーズに流す特性があります。
谷樋は屋根面からの水が集中する場所なので、ほんのわずかな凹凸や摩擦でも水の流れが鈍くなり、泥や砂が沈殿しやすくなります。
ガルバの滑らかな表面はこの沈殿を防ぎ、水が停滞して腐食を進める時間を最小限に抑えることができます。
特に屋根勾配が緩めの家や、雨量の多い地域では、この「水切れ性能」の差が耐久年数に直結します。
泥やゴミが堆積しづらい
谷樋の大敵は「水」そのものではなく、水と一緒に流れてくる異物です。
落ち葉や花粉、砂ぼこり、屋根材の破片などが溜まると、その下に湿気がこもり、錆や腐食が一気に進みます。
ガルバリウム鋼板は摩擦抵抗が少ないため、異物が雨水と一緒に流れやすく、堆積のスピードが遅いのが特長です。
例えば塗装後に剥がれた塗膜片や工事時の金属くずも、ステンレスよりもガルバのほうが流れやすいケースがあります。
さらに、表面のアルミ層は汚れとの密着性が低く、泥や苔も固着しにくいため、掃除やメンテナンス時も汚れが落ちやすいという利点があります。
錆が発生してても亜鉛の「犠牲防食作用」で広がりにくい
ガルバリウム鋼板の亜鉛部分には、犠牲防食作用という働きがあります。
これは、傷や切り口から鉄部分が露出しても、亜鉛が先に腐食して鉄を守るという性質です。
谷樋は落下物や強風で小さな傷がつくことがありますが、ステンレスの場合、その傷部分に汚れや水分が溜まると、局部的な腐食が一気に進行します。
一方、ガルバの場合は亜鉛が身代わりとなって腐食を抑えるため、傷があっても穴あきまでの時間を大幅に延ばすことが可能です。
この効果は、特に「海沿い」や「落ち葉が多くて清掃頻度が低い場所」で顕著に現れます。
現場での耐久年数比較(あくまで目安)
・ステンレス谷樋:良好な条件下では20〜30年持つが、悪条件では10〜15年で腐食
・ガルバ谷樋:標準で20年以上持ち、悪条件でも15年前後は耐えることが多い
つまり、条件が悪い現場ではガルバリウムが逆転するケースが現実にあります。
適材適所の考え方
ステンレスが有利な現場
ステンレスは、塩分や酸性雨などの影響を受けにくく、不動態被膜によって長期にわたり錆を防ぎます。そのため、落ち葉や泥がほとんど溜まらず、排水がスムーズに行われる環境では、その性能を最大限に発揮します。たとえば、屋根勾配がしっかり取られていて、谷樋に水が滞留しない形状や、周囲に落葉樹が少ない住宅では、メンテナンス回数を抑えつつ20〜30年という長寿命が期待できます。さらに、上流に鉄製の部材が少なく、もらい錆のリスクが低い場合も、ステンレスの耐久性は安定して発揮されます。このような条件下では、ガルバリウムよりも表面変化が少なく、美観の維持にも優れています。
ガルバリウムが有利な現場
ガルバリウム鋼板は、水切れが良く、表面に汚れや泥が固着しにくい性質があります。そのため、落ち葉や砂ぼこりなどの堆積が多く、清掃頻度が年1回以下になりがちな環境では、ステンレスよりも長寿命になることがあります。また、表面に傷がついた場合でも、亜鉛の犠牲防食作用によって鉄部分が守られるため、局部的な腐食が広がりにくいのも利点です。特に、勾配が緩く雨水の滞留が避けられない形状や、上流に錆びやすい金属部材がありもらい錆が発生しやすい場合、あるいは海沿いや工場地帯など腐食性粒子が多い地域では、ガルバリウムの方が耐久性を発揮しやすくなります。
まとめ
谷樋の素材選びは、「錆びにくい金属=万能」ではありません。
水の流れや異物の堆積状況、周囲の環境によっては、ガルバリウム鋼板の方が長寿命になることがあります。
素材選びの際は、現場環境をよく観察し、施工後のメンテナンスも含めた計画を立てることが大切です。
見た目や一般的な評価だけでなく、「その家にとって本当に適した材料は何か」を見極めることが、長く家を守る第一歩になります。
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