屋根の防水はここで決まる！ルーフィングの種類と選び方
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Contents
屋根を守る「ルーフィング」とは？
ルーフィングとは、屋根材の下に敷かれる防水シートのことで、雨水の浸入を防ぐための「最後の砦」のような役割を持っています。瓦やスレート、金属屋根といった屋根材は見た目こそしっかりしていますが、強風や長年の劣化によってすき間から雨水が入ることがあります。そのときに、屋根内部を守るのがこのルーフィングなのです。
ルーフィングにも種類があり、もっとも一般的なのは「アスファルトルーフィング」。さらに耐久性や防水性に優れた「改質アスファルトルーフィング」や「粘着式ルーフィング」などもあります。どの屋根材を使っていても、防水性を確保するうえでルーフィングは欠かせない存在です。ただし、ルーフィングは年数とともに劣化するため定期的な点検や葺き替え工事の際の交換が必要です。見た目はきれいでも、中のルーフィングが傷んでいれば雨漏りに直結してしまうこともあるため、屋根工事を考える際は、ぜひこのルーフィングの状態にも注目しておくと安心です。
ルーフィングの種類
アスファルトルーフィング（JISルーフィング940）
アスファルトルーフィングは、もっとも一般的で住宅の屋根工事に広く使われている防水シートです。フェルト状の原紙にアスファルトを含浸させたシートで、防水性を確保する基本的な材料です。黒くてやや厚みがあり、価格が安いため、多くの新築住宅や低コストのリフォームで採用されています。
しかし、耐久性には限界があり、10～15年程度で硬化やひび割れが起きやすくなります。また、温度変化に弱く、高温になると柔らかくなり、寒冷地ではひび割れのリスクもあるため、過酷な気候条件では不向きです。施工性は良好で、屋根勾配が標準以上あれば問題なく使用できます。コスト重視の現場には今でも根強い需要がありますが、長期的に見れば性能がやや物足りないため、将来的な再施工を前提とした選択となります。
改質アスファルトルーフィング（ゴムアスルーフィング）
改質アスファルトルーフィングは、通常のアスファルトルーフフィングにゴムや合成樹脂を加えて改良した高性能タイプの防水シートです。ゴムを配合することで、柔軟性・密着性・耐熱性が大幅に向上し、気温の変化にも強くなるのが最大の特長です。特に「ゴムアスルーフィング」と呼ばれるタイプは、屋根の形状にしっかり追従し、釘穴からの水の浸入も防ぎやすくなっています。
このルーフィングは、高級なスレート屋根や金属屋根と組み合わせて使われることが多く、屋根材の性能に見合うだけの耐久性と信頼性があります。耐用年数は20年～30年とされ、長期にわたって安定した防水性を発揮します。価格は一般的なアスファルトルーフィングよりやや高めですが、屋根の耐久性を長持ちさせたい方にとっては非常におすすめの素材です。
粘着式ルーフィング（自着式ルーフィング）
粘着式ルーフィングは、裏面に粘着材が塗布されており、釘を使わずに下地に貼り付けることができる特殊な防水シートです。一般的なルーフィングはタッカーや釘で留める必要がありますが、粘着式はその必要がないため、釘穴からの水の浸入リスクを限りなくゼロに近づけることができるという大きなメリットがあります。
特に、勾配が緩い屋根（傾きが少ない屋根）では、雨水の滞留リスクがあるため、確実な防水が求められます。そのような場所では、粘着式ルーフィングが非常に有効です。また、屋根の形が複雑で入り組んでいる場合にも、柔軟に密着できるため施工性が高く、仕上りの精度も上がります。
ただし、粘着式は素材そのものの価格が高く、施工にも丁寧さが求められるため、コスト面では割高です。一般住宅での使用はまだ限定的ですが、高気密・高断熱住宅、豪雪地帯、耐風被害の多い地域など、防水性能を最重視する現場では高い信頼性を誇っています。
高耐久・特殊ルーフィング（防火ルーフィング・遮熱タイプなど）
近年では、耐久性や機能性に優れた特殊ルーフィング材も登場しています。たとえば「防火性能」を備えたルーフィングは、火災時に屋根の延焼を防ぐため、工場や大規模施設などでも採用されています。また、遮熱機能をもつルーフィングは、屋根裏の温度上昇を抑え、室内の冷房効率を高める効果があるため、環境配慮型住宅などで注目されています。
これらの高機能ルーフィングは、一般的な住宅に比べてコストはさらに上がりますが、メンテナンス頻度を減らせたり、住環境をより快適に保てたりするという面で、長期的にはメリットが大きい素材です。特に省エネ性や安全性を重視する住宅や、屋根に太陽光パネルを設置する場合などには、選択肢として検討されることが増えてきています。
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